文昌帝君陰騭文 / 第二段・福田を広めんと欲せば、須らく心地に憑るべし
埋蛇,享宰相之榮。欲廣福田,須憑心地。行時時之方便,作種種之陰功。利物利人,修善修福。
新字:埋蛇,享宰相之栄。欲広福田,須憑心地。行時時之方便,作種種之陰功。利物利人,修善修福。
書き下し
蛇を埋めて、宰相の栄を享く。福田を広めんと欲せば、須らく心地に憑るべし。時時の方便を行ひ、種種の陰功を作す。物を利し人を利し、善を修め福を修む。
現代語訳
蛇を埋めた者は、宰相となる栄誉を得ました。福を生む田を広げようと思うなら、自分の心という土地に頼らなければなりません。折にふれて人のためになることを行い、さまざまな人知れぬ功を積みます。物を利し人を利し、善を修め福を修めるのです。
解説
前段の故事の四つめが、蛇を埋めた話です。楚の孫叔敖が幼いころ、見た者は死ぬと言われた両頭の蛇に出会い、他の人が見ないようにと殺して埋め、自分は死ぬと思って泣いた。その心が報われて宰相になったと伝えられます。自分が損をしても人を害から遠ざけた、というところに眼目があります。続く福田という言葉は仏教の語で、善行を種まきになぞらえた言い方です。この文はそれを受けて、田を広げたいなら心という土地に頼れと言います。行いの数を増やすより、それが出てくるもとを耕せ、ということでしょう。畑の地力が痩せていれば、何を蒔いても実りません。
この章句が説くこと
福田心孫叔敖陰功方便
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