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法句経 / 第十八 塵垢の部 二四八〜二五〇 制御なきは悪なり

二四八 人よ、是の如く知れ、制御なきは惡なり、貪欲と非法とをして永く汝を苦しめ、損害せしむる勿れ。 二四九 人は所信に隨ひ所好に隨ひ施與す、人若し他人の(施せる)飮食に於て(我の得たるは或は少或は麤なりと謂うて)羞恥を懷くときは晝も夜も彼は心の安定を得るに由なし。 二五〇 人若し此の(羞恥)を斷ち、根絶し、全く害するときは、晝も夜も彼は心の安定を得べし。

新字:二四八 人よ、是の如く知れ、制御なきは悪なり、貪欲と非法とをして永く汝を苦しめ、損害せしむる勿れ。 二四九 人は所信に随ひ所好に随ひ施与す、人若し他人の(施せる)飲食に於て(我の得たるは或は少或は麤なりと謂うて)羞恥を懐くときは昼も夜も彼は心の安定を得るに由なし。 二五〇 人若し此の(羞恥)を断ち、根絶し、全く害するときは、昼も夜も彼は心の安定を得べし。

書き下し

二四八 人よ、是の如く知れ、制御なきは悪なり、貪欲と非法とをして永く汝を苦しめ、損害せしむる勿れ。 二四九 人は所信に随ひ所好に随ひ施与す、人若し他人の(施せる)飲食に於て(我の得たるは或は少或は麤なりと謂うて)羞恥を懐くときは昼も夜も彼は心の安定を得るに由なし。 二五〇 人若し此の(羞恥)を断ち、根絶し、全く害するときは、昼も夜も彼は心の安定を得べし。

現代語訳

人よ、このように知れ。自らを制することがないのは悪である。貪りと道に外れたことに、いつまでもあなたを苦しめさせ、損なわせてはならない。人は自分の信じるところに従い、好むところに従って施しをする。もし人が他人の施した飲み物や食べ物について、自分がもらったものは少ない、あるいは粗末だと思って恥じ入る気持ちを抱くならば、その人は昼も夜も心の安定を得るすべがない。もし人がこの恥じ入る気持ちを断ち、根こそぎにし、すっかり滅ぼすならば、昼も夜も心の安定を得るであろう。

解説

二四八偈は、自制を欠くことそのものを悪と呼ぶ。個々の悪行より前に、制御がないという状態が問題だという見方である。続く二偈は具体的な場面に降りる。托鉢で得た食べ物が他の者より少ない、あるいは粗末だと気にする修行者の心である。施す側は各自の信心と好みで施すのだから、量や質に差が出るのは当然だ。それを自分への評価と受け取って恥じたり妬んだりすれば、昼も夜も心は落ち着かない。「断ち、根絶し、全く害す」と三度重ねて、この比べる心を根こそぎにせよと言う。ここでの「羞恥」は前の偈の慚とは違い、他人と比べて軽んじられたと感じる心である。配分や待遇の差は、どんな組織にもある。それを気にし続けて心の安定を失うか、比べる心のほうを手放すか。その選択は案外、自分の側にある。

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