法句経 / 第十八 塵垢の部 二四四〜二四七 慚なき者の生活は易し
二四四 慚なく、強顏に、惡性に、驕傲に、大膽に、敗徳の人には生活は易し。 二四五 然るに、慚あり、常に清淨を求め、執著なく、謙讓に、清淨に活命し、智見ある人には生活は難し。 二四六 人若し動物を殺し、妄語を爲し、世の中に於て與へざるを取り、他の妻を犯し、 二四七 窣羅、迷麗耶酒に沈湎するならば、現世に於て既に彼は己の根を掘るものなり。
新字:二四四 慚なく、強顔に、悪性に、驕傲に、大胆に、敗徳の人には生活は易し。 二四五 然るに、慚あり、常に清浄を求め、執著なく、謙譲に、清浄に活命し、智見ある人には生活は難し。 二四六 人若し動物を殺し、妄語を為し、世の中に於て与へざるを取り、他の妻を犯し、 二四七 窣羅、迷麗耶酒に沈湎するならば、現世に於て既に彼は己の根を掘るものなり。
書き下し
二四四 慚なく、強顔に、悪性に、驕傲に、大胆に、敗徳の人には生活は易し。 二四五 然るに、慚あり、常に清浄を求め、執著なく、謙譲に、清浄に活命し、智見ある人には生活は難し。 二四六 人若し動物を殺し、妄語を為し、世の中に於て与へざるを取り、他の妻を犯し、 二四七 窣羅、迷麗耶酒に沈湎するならば、現世に於て既に彼は己の根を掘るものなり。
現代語訳
恥を知らず、厚かましく、性質が悪く、傲慢で、図太く、徳を損なった人には、生きることはたやすい。しかし、恥を知り、常に清らかさを求め、執着がなく、謙虚で、清らかに暮らしを立て、智慧をもって物事を見る人には、生きることは難しい。もし人が生き物を殺し、偽りを語り、世の中で与えられていないものを取り、他人の妻を犯し、窣羅(穀物の酒)や迷麗耶(根や果実の酒)に溺れるならば、その人はこの世においてすでに自分の根を掘り崩しているのである。
解説
関連する章句
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『法句経』第十八 塵垢の部 二四八〜二五〇 制御なきは悪なり二四八 人よ、是の如く知れ、制御なきは悪なり、貪欲と非法とをして永く汝を苦しめ、損害せしむる勿れ。 二四九 人は所信に随ひ所好に随ひ施与す、人若し他人の(施せる)飲食に於て(我の得たるは或は少或は麤なりと謂うて)羞恥を懐くときは昼も夜も彼は心の安定を得るに由なし。 二五〇 人若し此の(羞恥)を断ち、根絶し、全く害するときは、昼も夜も彼は心の安定を得べし。
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『法句経』第十八 塵垢の部 二四一〜二四三 無明は垢中の垢二四一 不誦を曼怛羅の垢とし、不勤を家の垢とし、懈怠を色の垢とし、放逸を護者の垢とす。 二四二 不貞を女の垢とし、慳を施者の垢とし、悪の所行を今世及び後(世)の垢とす。 二四三 無明は此等垢中の垢、第一の垢なり、比丘衆よ、此の垢を絶ちて無垢なれ。
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『法句経』第十二 己身の部 一六一〜一六三 悪は自より生じて自を壊す一六一 自の造れる、自より生ぜる、自に因る罪は愚者を壊る、猶ほ金剛の宝石を(壊るが)如し。 一六二 人若し少しも戒を持たずんば、蔓の滋れる沙羅樹の如く、自ら敵の欲するまゝに挙動ふ。 一六三 不善と己を益せざることは為し易し、益し且善くある事は甚だ為し難し。
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『法句経』第十八 塵垢の部 二三九・二四〇二三九 賢人は漸々に分々に刹那刹那に、鍛工が銀の(垢を除くが)如く己の垢を除くべし。 二四〇 鉄より生ぜる錆は、鉄より生じて正に鉄を食ふが如く、是の如く不浄の行者は、自の業に由つて悪趣に導かる。
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『仏遺教経』慚恥の服汝等比丘、昼は則ち勤めて心に善法を修習し、時を失わしむること無かれ。初夜・後夜も、亦た廃すること勿かれ。中夜には経を誦し、以て自ら消息せよ。睡眠の因縁を以て、一生をして空しく過ぎ、得る所無からしむること無かれ。当に無常の火の、諸の世間を焼くを念い、早く自ら度することを求めて、睡眠すること勿かれ。(中略)慚恥の服は、諸の荘厳に於て、最も第一と為す。慚は鉄鉤の如く、能く人の非法を制す。是の故に常に当に慚恥すべく、暫くも替うることを得ること無かれ。若し慚恥を離れなば、則ち諸の功徳を失う。愧有るの人は、則ち善法有り。若し愧無くんば、諸の禽獣と相い異なること無きなり。
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