法句経 / 第十八 塵垢の部 二四一〜二四三 無明は垢中の垢
二四一 不誦を曼怛羅の垢とし、不勤を家の垢とし、懈怠を色の垢とし、放逸を護者の垢とす。 二四二 不貞を女の垢とし、慳を施者の垢とし、惡の所行を今世及び後(世)の垢とす。 二四三 無明は此等垢中の垢、第一の垢なり、比丘衆よ、此の垢を絶ちて無垢なれ。
新字:二四一 不誦を曼怛羅の垢とし、不勤を家の垢とし、懈怠を色の垢とし、放逸を護者の垢とす。 二四二 不貞を女の垢とし、慳を施者の垢とし、悪の所行を今世及び後(世)の垢とす。 二四三 無明は此等垢中の垢、第一の垢なり、比丘衆よ、此の垢を絶ちて無垢なれ。
書き下し
二四一 不誦を曼怛羅の垢とし、不勤を家の垢とし、懈怠を色の垢とし、放逸を護者の垢とす。 二四二 不貞を女の垢とし、慳を施者の垢とし、悪の所行を今世及び後(世)の垢とす。 二四三 無明は此等垢中の垢、第一の垢なり、比丘衆よ、此の垢を絶ちて無垢なれ。
現代語訳
唱えないことは曼怛羅(ヴェーダの聖典)の垢であり、勤めないことは家の垢であり、怠けることは容色の垢であり、うかつさは番をする者の垢である。貞節でないことは女の垢であり、物惜しみは施す者の垢であり、悪い行いはこの世と後の世との垢である。無明(真理を知らない根本の迷い)は、これらの垢の中の垢、第一の垢である。比丘(出家修行者)たちよ、この垢を断って、垢のない者となれ。
解説
「塵垢の部」の題をそのまま展開したような三偈で、垢の目録が続く。曼怛羅は荻原の注によれば婆羅門が朝夕唱えるべきヴェーダの本文で、唱えなければ忘れられて錆びつく。家業を治めなければ家は傾き、身繕いを怠れば美しさは失われ、番人がうかつなら守るべきものは奪われる。いずれも、それぞれの役目にとっての汚れである。垢とは外から付く汚れというより、本来の働きを曇らせるものだとわかる。「女の垢」として不貞を挙げるのは、古代の社会の価値観を映す言葉として読んでおきたい。そのうえで二四三偈が全体を束ねる。すべての垢の根にあるのは無明、つまり知らないことだという。個々の垢を拭うより、根を断てと言う。組織の不具合も、一つずつ潰す前に、共通して見えていないものを探すほうが早いことがある。
関連する章句
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