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法句経 / 第十五 安楽の部 二〇五〜二〇八 月の星宿を行くが如く

二〇五 遠離の液を飮み、又寂靜の液を(飮み)、(又)法喜の液を飮みて罪過を離れ(又)惡を離る。 二〇六 善い哉聖を見ること、(聖と)共に住するは樂なり、凡愚を見ずんば常に樂なるべし。 二〇七 凡愚と倶に道を行けば、長途に憂ふ、凡愚と共に住するは敵と(共に住するが)如く恆に苦なり、智者と共に住するは樂なり、猶ほ親族と會ふが如し。是れに由つて 二〇八 彼の賢く、智ある、多く學べる、忍辱なる、戒を具せる、聖き、是の如き善士聰慧者に隨ふべし、月の星宿を行くが如く。

新字:二〇五 遠離の液を飲み、又寂静の液を(飲み)、(又)法喜の液を飲みて罪過を離れ(又)悪を離る。 二〇六 善い哉聖を見ること、(聖と)共に住するは楽なり、凡愚を見ずんば常に楽なるべし。 二〇七 凡愚と倶に道を行けば、長途に憂ふ、凡愚と共に住するは敵と(共に住するが)如く恒に苦なり、智者と共に住するは楽なり、猶ほ親族と会ふが如し。是れに由つて 二〇八 彼の賢く、智ある、多く学べる、忍辱なる、戒を具せる、聖き、是の如き善士聰慧者に随ふべし、月の星宿を行くが如く。

書き下し

二〇五 遠離の液を飲み、又寂静の液を(飲み)、(又)法喜の液を飲みて罪過を離れ(又)悪を離る。 二〇六 善い哉聖を見ること、(聖と)共に住するは楽なり、凡愚を見ずんば常に楽なるべし。 二〇七 凡愚と倶に道を行けば、長途に憂ふ、凡愚と共に住するは敵と(共に住するが)如く恒に苦なり、智者と共に住するは楽なり、猶ほ親族と会ふが如し。是れに由つて 二〇八 彼の賢く、智ある、多く学べる、忍辱なる、戒を具せる、聖き、是の如き善士聡慧者に随ふべし、月の星宿を行くが如く。

現代語訳

遠く離れることの甘露を飲み、また静けさの甘露を(飲み)、(また)教えを喜ぶ甘露を飲んで、罪過を離れ(また)悪を離れる。聖者を見ることは善いことである。(聖者と)共に住むことは楽しい。愚かな者を見なければ、常に楽しくあるだろう。愚かな者と一緒に道を行けば、長い道のりにわたって憂える。愚かな者と共に住むことは、敵と(共に住む)ように常に苦しい。智慧ある者と共に住むことは楽しい。ちょうど親族と会うように。それゆえに、あの賢く、智慧があり、多く学び、忍耐強く、戒めを備え、聖なる、このような善き人、聡明な人に従うべきである。月が星々の間を行くように。

解説

「安楽の部」の後半、誰と共にあるかを語る四偈である。二〇五偈は遠離、寂静、法喜を三つの「液」、つまり甘露として飲むと言い、静けさを味わいとして描く。そこから話は人との交わりへ移る。聖者を見ることは善く、愚者と共に住むのは敵と住むように苦しい。長い旅路を愚者と共にすれば道中ずっと憂えることになる。智者と住むのは親族と会うように楽しい。そして最後に、賢く、学び深く、忍耐があり、戒を持つ人に従えと説く。その姿を「月の星宿を行くが如く」とたとえる。月は星座の間を定まった道筋で進んでゆく。星々の中にあって、それらを導きとして整然と進む。付き従うことが卑屈にならず、静かな秩序として描かれている。誰と長い道を行くかは、仕事の満足を大きく左右する。

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