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法句経 / 第十五 安楽の部 二〇一〜二〇四

二〇一 勝利は怨を生ず、敗者は苦しんで臥す、勝敗を離れて寂靜なる人は樂しく臥す。 二〇二 貪に比すべき火なく、瞋に比すべき罪なく、蘊に比すべき苦なく、寂に勝るゝ樂なし。 二〇三 飢は最上の病なり、蘊は最上の苦なり、若し人如實に此を知れば最上樂の涅槃あり。 二〇四 利の第一は無病なり、滿足の第一は財なり、親族の第一は信頼なり、樂の第一は涅槃なり。

新字:二〇一 勝利は怨を生ず、敗者は苦しんで臥す、勝敗を離れて寂静なる人は楽しく臥す。 二〇二 貪に比すべき火なく、瞋に比すべき罪なく、蘊に比すべき苦なく、寂に勝るゝ楽なし。 二〇三 飢は最上の病なり、蘊は最上の苦なり、若し人如実に此を知れば最上楽の涅槃あり。 二〇四 利の第一は無病なり、満足の第一は財なり、親族の第一は信頼なり、楽の第一は涅槃なり。

書き下し

二〇一 勝利は怨を生ず、敗者は苦しんで臥す、勝敗を離れて寂静なる人は楽しく臥す。 二〇二 貪に比すべき火なく、瞋に比すべき罪なく、蘊に比すべき苦なく、寂に勝るゝ楽なし。 二〇三 飢は最上の病なり、蘊は最上の苦なり、若し人如実に此を知れば最上楽の涅槃あり。 二〇四 利の第一は無病なり、満足の第一は財なり、親族の第一は信頼なり、楽の第一は涅槃なり。

現代語訳

勝利は怨みを生む。敗者は苦しんで臥す。勝敗を離れて静かな人は安らかに臥す。貪りに比べられる火はなく、瞋りに比べられる罪はなく、蘊に比べられる苦はなく、寂に勝る楽はない。飢えは最上の病である。蘊は最上の苦である。もし人がありのままにこれを知れば、最上の楽である涅槃がある。利の第一は無病である。満足の第一は財である。親族の第一は信頼である。楽の第一は涅槃である。

解説

第十五章「安楽の部」から四偈。二〇一は勝敗そのものを降りる話である。勝てば怨みが残り、負ければ苦しむ。どちらを取っても休めない。休めるのは勝敗の外に出た人だけだという。二〇二は「貪に比すべき火なく、瞋に比すべき罪なく」と、貪りを火に、怒りを罪の最上位に置く。荻原は「蘊」に「変化的生存の要素の集合」、「寂」に「涅槃」と註を付ける。二〇四の「滿足の第一は財なり」は、この章でもっとも実際的な一句だろう。財産の第一は満足だ、という語順の逆転である。いくら持っていても足りないなら貧しく、足りていると感じられるなら豊かだ。そして「親族の第一は信頼なり」——血縁ではなく信頼が最も近い身内だという。

この章句が説くこと

勝利は怨を生ず満足の第一は財無病勝敗の外

この一句を、あなたの毎日に。

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