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法句経 / 第十三 世俗の部 一六七〜一六九 如法の者は快く寝る

一六七 下劣の法を習ふべからず、放逸に住すべからず、邪見を習ふべからず、世俗を助長すべからず。 一六八 發起せよ、放逸なる勿れ、妙行の法を行ぜよ、如法の行者は快く寐ぬ、今世にも亦他(世)にも。 一六九 妙行の法を行ぜよ、惡行の法を行ずる勿れ、如法の行者は快く寐ぬ、今世にも亦他(世)にも。

新字:一六七 下劣の法を習ふべからず、放逸に住すべからず、邪見を習ふべからず、世俗を助長すべからず。 一六八 発起せよ、放逸なる勿れ、妙行の法を行ぜよ、如法の行者は快く寐ぬ、今世にも亦他(世)にも。 一六九 妙行の法を行ぜよ、悪行の法を行ずる勿れ、如法の行者は快く寐ぬ、今世にも亦他(世)にも。

書き下し

一六七 下劣の法を習ふべからず、放逸に住すべからず、邪見を習ふべからず、世俗を助長すべからず。 一六八 発起せよ、放逸なる勿れ、妙行の法を行ぜよ、如法の行者は快く寐ぬ、今世にも亦他(世)にも。 一六九 妙行の法を行ぜよ、悪行の法を行ずる勿れ、如法の行者は快く寐ぬ、今世にも亦他(世)にも。

現代語訳

卑しい教えに親しんではならない。怠りのうちに住んではならない。誤った見解に親しんではならない。世俗(の迷い)を助長してはならない。奮い立て。怠ってはならない。すぐれた行いの教えを実践せよ。法にかなって行う者は安らかに眠る。この世においても、また次の世においても。すぐれた行いの教えを実践せよ。悪い行いの教えを実践してはならない。法にかなって行う者は安らかに眠る。この世においても、また次の世においても。

解説

第十三章「世俗の部」の冒頭の三偈である。「世俗」の原語ローカは「世間」であり、壊れゆくもの、移ろうものを含意する。最初の偈は四つの「べからず」を並べ、卑しい法、放逸、邪見、世俗への加担を退ける。続く二偈は「発起せよ」と一転して励まし、同じ結びの句を繰り返す。「如法の行者は快く寐ぬ」。修行の果報を、悟りや天界ではなく、よく眠れることとして示すところがこの経らしい。眠りは、昼間の行いがそのまま映る場所である。後ろめたいことがあれば寝つけず、恐れがあれば夢にうなされる。今世だけでなく他世にもと付け加えるのは、輪廻を前提とした古代インドの世界観の言い方だが、力点はまず今夜の眠りにある。仕事の良し悪しを、夜の眠りで測るという物差しも持っておいてよい。

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