法華経 / 方便品第二(9)
比丘比丘尼,有懷增上慢,優婆塞我慢,優婆夷不信, 如是四眾等,其數有五千,不自見其過,於戒有缺漏, 護惜其瑕疵。是小智已出,眾中之糟糠,佛威德故去, 斯人鮮福德,不堪受是法。此眾無枝葉,唯有諸貞實。 舍利弗善聽,諸佛所得法,無量方便力,而為眾生說。 眾生心所念,種種所行道,若干諸欲性,先世善惡業。 佛悉知是已,以諸緣譬喻、言辭方便力,令一切歡喜。 或說修多羅、伽陀及本事、本生未曾有。亦說於因緣、 譬喻並祇夜、優波提舍經。鈍根樂小法,貪著於生死, 於諸無量佛,不行深妙道,眾苦所惱亂,為是說涅槃。 我設是方便,令得入佛慧,未曾說汝等、當得成佛道。 所以未曾說,說時未至故,今正是其時,決定說大乘。 我此九部法,隨順眾生說,入大乘為本,以故說是經。 有佛子心淨,柔軟亦利根,無量諸佛所,而行深妙道。 為此諸佛子,說是大乘經。我記如是人,來世成佛道, 以深心念佛,修持淨戒故。此等聞得佛,大喜充遍身, 佛知彼心行,故為說大乘。聲聞若菩薩,聞我所說法, 乃至於一偈,皆成佛無疑。十方佛土中,唯有一乘法, 無二亦無三。除佛方便說,但以假名字,引導於眾生, 說佛智慧故。諸佛出於世,唯此一事實,餘二則非真,
新字:比丘比丘尼,有懐增上慢,優婆塞我慢,優婆夷不信, 如是四衆等,其数有五千,不自見其過,於戒有欠漏, 護惜其瑕疵。是小智已出,衆中之糟糠,仏威徳故去, 斯人鮮福徳,不堪受是法。此衆無枝葉,唯有諸貞実。 舎利弗善聴,諸仏所得法,無量方便力,而為衆生説。 衆生心所念,種種所行道,若干諸欲性,先世善悪業。 仏悉知是已,以諸縁譬喩、言辞方便力,令一切歓喜。 或説修多羅、伽陀及本事、本生未曽有。亦説於因縁、 譬喩並祇夜、優波提舎経。鈍根楽小法,貪著於生死, 於諸無量仏,不行深妙道,衆苦所悩乱,為是説涅槃。 我設是方便,令得入仏慧,未曽説汝等、当得成仏道。 所以未曽説,説時未至故,今正是其時,決定説大乗。 我此九部法,随順衆生説,入大乗為本,以故説是経。 有仏子心浄,柔軟亦利根,無量諸仏所,而行深妙道。 為此諸仏子,説是大乗経。我記如是人,来世成仏道, 以深心念仏,修持浄戒故。此等聞得仏,大喜充遍身, 仏知彼心行,故為説大乗。声聞若菩薩,聞我所説法, 乃至於一偈,皆成仏無疑。十方仏土中,唯有一乗法, 無二亦無三。除仏方便説,但以仮名字,引導於衆生, 説仏智慧故。諸仏出於世,唯此一事実,余二則非真,
書き下し
比丘・比丘尼の、増上慢を懐くもの有り、優婆塞の我慢なる、優婆夷の不信なる、 是くの如き四衆等の、其の数五千有り。自ら其の過ちを見ず、戒に於いて欠漏有り、 其の瑕疵を護り惜しむ。是の小智の者は已に出ず、衆中の糟糠なり、仏の威徳の故に去る、 斯の人は福徳鮮く、是の法を受くるに堪えず。此の衆に枝葉無く、唯だ諸の貞実有るのみ。 舎利弗よ、善く聴け。諸仏の得たまえる法は、無量の方便力をもって、衆生の為に説きたまう。 衆生の心の念う所、種種の行ずる所の道、若干の諸の欲性、先世の善悪の業を、 仏、悉く是れを知り已りて、諸の縁・譬喩、言辞・方便力をもって、一切をして歓喜せしむ。 或いは修多羅、伽陀、及び本事、本生、未曾有を説き、亦た因縁、 譬喩、并びに祇夜、優波提舎経を説く。鈍根にして小法を楽い、生死に貪著し、 諸の無量の仏に於いて、深妙の道を行ぜず、衆苦に悩乱せらるる者には、是の為に涅槃を説く。 我れ是の方便を設けて、仏慧に入ることを得しむるも、未だ曾て汝等が、当に仏道を成ずることを得べしと説かず。 未だ曾て説かざる所以は、説く時未だ至らざるが故なり。今正に是れ其の時なり、決定して大乗を説く。 我が此の九部の法は、衆生に随順して説く。大乗に入るを本と為す、以ての故に是の経を説く。 仏子の心浄く、柔軟にして亦た利根に、無量の諸仏の所にして、深妙の道を行ずる有り。 此の諸の仏子の為に、是の大乗経を説く。我れ是くの如き人は、来世に仏道を成ぜんと記す、 深心をもって仏を念じ、浄戒を修持するが故に。此れ等、仏を得べしと聞きて、大喜、身に充遍す。 仏、彼の心行を知れり、故に為に大乗を説く。声聞若しは菩薩、我が所説の法を聞かば、 乃至一偈なるも、皆な成仏すること疑い無し。十方の仏土の中に、唯だ一乗の法のみ有り、 二も無く亦た三も無し。仏の方便の説を除き、但だ仮の名字を以て、衆生を引導して、 仏の智慧を説かんが為の故なり。諸仏の世に出でたもうは、唯だ此の一事のみ実なり、余の二は則ち真に非ず、
現代語訳
比丘や比丘尼の中には、思い上がりを抱く者がいます。優婆塞には高慢な者が、優婆夷には信じない者がいます。 このような四衆が、その数五千人います。自分の過ちを見ず、戒に欠けや漏れがあり、 自分の欠点を守り惜しんでいます。この小さな智慧の者たちはもう出ていきました。集まりの中のぬか糟のような者で、仏の威徳のために去ったのです。 この人たちは福徳が少なく、この法を受けるのに堪えません。この集まりには、もう枝葉がなく、ただ実のある者だけがいます。 舎利弗よ、よく聴きなさい。諸仏が得られた法は、無数の方便の力によって、衆生のために説かれます。 衆生の心に思うこと、さまざまに行じている道、いろいろな欲の性質、前の世の善悪の業を、 仏はすべて知り尽くして、さまざまな縁、譬え、言葉、方便の力によって、すべての人を歓喜させます。 あるいは修多羅、伽陀、本事、本生、未曾有を説き、また因縁、 譬喩、祇夜、優波提舎経を説きます。鈍い根機で小さな法を好み、生死に貪り着き、 無数の仏のもとにいても深く妙なる道を行わず、多くの苦に悩まされる人々には、そのために涅槃を説きます。 私はこの方便を設けて、仏の智慧に入らせましたが、これまで、あなたたちが仏道を成就できるとは説いたことがありません。 これまで説かなかった理由は、説くべき時がまだ来ていなかったからです。いまがまさにその時です。確かに大乗を説きます。 私のこの九部の法は、衆生に従って説いたものです。大乗に入るのを根本とするので、この経を説きます。 仏子の中には、心が清らかで、柔軟で、鋭い根機をもち、無数の諸仏のもとで、深く妙なる道を行じている者がいます。 この仏子たちのために、この大乗経を説きます。私はこのような人が、来世に仏道を成就すると授記します。 深い心で仏を念じ、清らかな戒を修め保つからです。この人たちは仏になれると聞いて、大きな喜びが全身に満ちます。 仏は彼らの心の動きを知っているので、彼らのために大乗を説きます。声聞でも菩薩でも、私が説く法を聞けば、 たとえ一つの偈であっても、みな成仏することは疑いありません。十方の仏国土には、ただ一乗の法だけがあり、 二つもなく、三つもありません。仏の方便の説は除きます。ただ仮の名によって、衆生を導き、 仏の智慧を説くためです。諸仏が世に出られるのは、ただこの一事だけが真実で、ほかの二つは真実ではなく、
解説

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