抱朴子外篇 / 詰鮑
鮑生曰:「人君恐奸釁之不虞,故嚴城以備之也。」抱朴子詰曰:「侯王設險,大易所貴,不審嚴城,何譏焉爾。夫兩儀肇辟,萬物化生,則邪正存焉爾。夫聖人知兇醜之自然,下愚之難移,猶春陽之不能榮枯朽,炎景之不能鑠金石,冶容慢藏,誨淫召盜,故取法乎習坎,備豫於未萌。重門有擊柝之敬,治戎遏暴客之變,而欲除之,其理何居?兕之角也,鳳之距也。天實假之,何必日用哉!蜂蠆挾毒以衛身,智禽銜蘆以捍網,獾曲其穴,以備徑至之鋒,水牛結陣,以卻虎豹之暴,而鮑生欲棄甲胄以遏利刃,墮城池以止沖鋒,若令甲胄既捐而利刃不住,城池既壞而沖鋒猶集,公輸、墨翟,猶不自全,不審吾生,計將安出乎?」
新字:鮑生曰:「人君恐奸釁之不虞,故厳城以備之也。」抱朴子詰曰:「侯王設険,大易所貴,不審厳城,何譏焉爾。夫両儀肇辟,万物化生,則邪正存焉爾。夫聖人知兇醜之自然,下愚之難移,猶春陽之不能栄枯朽,炎景之不能鑠金石,冶容慢蔵,誨淫召盗,故取法乎習坎,備予於未萌。重門有撃柝之敬,治戎遏暴客之変,而欲除之,其理何居?兕之角也,鳳之距也。天実仮之,何必日用哉!蜂蠆挟毒以衛身,智禽銜蘆以捍網,獾曲其穴,以備径至之鋒,水牛結陣,以却虎豹之暴,而鮑生欲棄甲胄以遏利刃,堕城池以止沖鋒,若令甲胄既捐而利刃不住,城池既壊而沖鋒猶集,公輸、墨翟,猶不自全,不審吾生,計将安出乎?」
書き下し
鮑生曰く、「人君は奸釁の不虞を恐る、故に城を厳しくして以て之に備うなり」と。抱朴子詰じて曰く、「侯王険を設くるは、大易の貴ぶ所なり。城を厳しくするを審らかにせずして、何をか譏らんや。夫れ両儀肇めて辟け、万物化生すれば、則ち邪正存す。聖人は兇醜の自然、下愚の移り難きを知ること、猶お春陽の枯朽を栄えしむる能わず、炎景の金石を鑠く能わざるがごとし。冶容は慢藏にして、淫を誨え盗を召く。故に法を習坎に取り、備豫を未萌に取る。重門に撃柝の敬有り、治戎に暴客の変を遏ぐ。而るに之を除かんと欲す、其の理何くにか居らん。兕の角や、鳳の距や、天は実に之を仮す。何ぞ必ずしも日に用いんや。蜂蠆は毒を挟みて以て身を衛り、智禽は蘆を銜みて以て網を捍ぎ、獾は其の穴を曲げて以て径至の鋒に備え、水牛は陣を結びて以て虎豹の暴を却く。而るに鮑生は甲冑を棄てて以て利刃を遏め、城池を墮して以て沖鋒を止めんと欲す。若し甲冑既に捐てられて利刃住まらず、城池既に壊れて沖鋒猶お集まらば、公輸・墨翟すら猶お自ら全くせず、審らかならず吾が生、計将に安くんぞ出でんや」と。
現代語訳
鮑生は言う。「君主は悪人の隙を思いがけず突かれることを恐れる。だから城を厳しくしてこれに備えるのだ」と。抱朴子は問い詰めて言う。「諸侯や王が険しい守りを設けるのは、易が尊ぶところである。城を厳しくすることの是非をきちんと検討せずに、何を譏るのか。天地が初めて開けて万物が化育すれば、邪と正が並び立つ。聖人は凶悪な者が生まれつきのものであり、最も愚かな者が変わりにくいことを知っている。春の陽が枯れ朽ちた木を栄えさせられず、夏の日が金や石を溶かせないようなものである。容貌を飾り、財をしまい込んでおくのは、淫を教え盗みを招く。だから習坎の法に則り、備えを芽生える前に整える。重い門には拍子木を打つ番人の慎みがあり、軍備は賊の襲来の変事を防ぐ。それなのに、それをなくそうとする。その理屈はどこにあるのか。犀の角、鳳の蹴爪は、天が実際にこれらを与えたものだ。日々使うとは限らない。蜂や蠍は毒を持って身を守り、賢い鳥は葦をくわえて網を防ぎ、獾は穴を曲げて直進する刃に備え、水牛は陣を組んで虎や豹の暴力を退ける。それなのに鮑生は鎧や兜を捨てて鋭い刃を防ぎ、城や堀をこわして突撃を止めようとする。もし鎧や兜がすでに捨てられても鋭い刃が止まらず、城や堀がすでに壊れても突撃が集まってくるなら、公輸般や墨翟でさえ身を全うできない。私には、あなたがどのような計を出すのか分からない」と。
解説
この章句が説くこと
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