抱朴子外篇 / 詰鮑
鮑生曰:「人君後宮三千,豈皆天意,谷帛積則民饑寒矣。」抱朴子詰曰:「王者妃妾之數,聖人之所制也。聖人,與天地合其德者也。其德與天地合,豈徒異哉!夫豈徒欲以順情盈欲而已乎!乃所以佐六宮,理陰陽,教爾崇奉祖廟,祗承大祭,供玄紞之服,廣本支之路,且案周典九土之記,及漢氏地理之書,天下女數,多於男焉。王者所宗,豈足以逼當娶者哉?姬公思之,似已審矣。帝王帥百僚以藉田,後妃將命婦以蠶織,下及黎庶,農課有限,力佃有賞,怠惰有罰,十一而稅,以奉公用。家有備兇之儲,國有九年之積,各得順天分地,不奪其時,調薄役希,民無饑寒,衣食既足,禮讓以興。昔文景之世,百姓務農,家給戶豐,官倉之米,至腐赤不可勝計。
新字:鮑生曰:「人君後宮三千,豈皆天意,谷帛積則民饑寒矣。」抱朴子詰曰:「王者妃妾之数,聖人之所制也。聖人,与天地合其徳者也。其徳与天地合,豈徒異哉!夫豈徒欲以順情盈欲而已乎!乃所以佐六宮,理陰陽,教爾崇奉祖廟,祗承大祭,供玄紞之服,広本支之路,且案周典九土之記,及漢氏地理之書,天下女数,多於男焉。王者所宗,豈足以逼当娶者哉?姫公思之,似已審矣。帝王帥百僚以藉田,後妃将命婦以蠶織,下及黎庶,農課有限,力佃有賞,怠惰有罰,十一而税,以奉公用。家有備兇之儲,国有九年之積,各得順天分地,不奪其時,調薄役希,民無饑寒,衣食既足,礼譲以興。昔文景之世,百姓務農,家給戸豊,官倉之米,至腐赤不可勝計。
書き下し
鮑生曰く、「人君の後宮三千、豈に皆な天意ならんや。谷帛積めば則ち民饑寒す」と。抱朴子詰じて曰く、「王者の妃妾の数は、聖人の制する所なり。聖人は、天地と其の徳を合わす者なり。其の徳天地と合す、豈に徒に異ならんや。夫れ豈に徒に情に順い欲を盈たさんと欲するのみならんや。乃ち六宮を佐け、陰陽を理め、爾に祖廟を崇奉し、大祭を祗承し、玄紞の服を供し、本支の路を広めしむる所以なり。且つ周典の九土の記、及び漢氏の地理の書を案ずるに、天下の女数は、男より多し。王者の宗とする所、豈に当に娶るべき者を逼るに足らんや。姬公之を思うこと、已に審らかなるに似たり。帝王は百僚を帥いて以て藉田し、后妃は命婦を将いて蠶織し、下は黎庶に及び、農課に限り有り、力佃に賞有り、怠惰に罰有り、十一にして税し、以て公用に奉ず。家に備兇の儲有り、国に九年の積有り、各おの天に順い地を分かち、其の時を奪わず、調は薄く役は希にして、民に饑寒無く、衣食既に足りて、礼譲以て興る。昔文景の世、百姓は農に務め、家は給し戸は豊かに、官倉の米は、腐赤して勝げて計う可からざるに至る。
現代語訳
鮑生は言う。「君主の後宮は三千、これがどうして天意であろうか。穀物や絹が積み上がれば、民は飢えと寒さに苦しむ」と。抱朴子は問い詰めて言う。「王者の妃妾の数は、聖人が定めたものである。聖人は天地とその徳を合わせる者である。その徳が天地と合するのだから、凡人と異なるのは当然である。ただ情に従い欲を満たしたいだけでこれを定めたのだろうか。そうではなく、六宮を助け、陰陽を理め、祖廟を尊び仕え、大祭を謹んで承け、礼服の紐を供え、本家と分家の道を広めるためである。また周の典籍にある九州の記録や、漢の地理の書を調べると、天下の女の数は男より多い。王者の宗とする者が、結婚すべき者を圧迫するに足りようか。周公がこれを思うことは、すでに明らかだったようだ。帝王は百官を率いて藉田を耕し、后妃は命婦を率いて蚕を飼い織り、下は庶民に及び、農事の課役には限度があり、努力して耕せば賞があり、怠れば罰があり、十分の一を税として公の用に供する。家には凶年の備えがあり、国には九年の蓄えがあり、それぞれ天に従い地を分けて、その時を奪わず、税は薄く役は少なく、民に飢えも寒さもなく、衣食が足りて、礼譲が興る。昔、文帝・景帝の世には、民は農に務め、家は満ち戸は豊かで、官倉の米は、腐って赤くなるほどで数えきれなかった。
解説
この章句が説くこと
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『新論』守禦常平の倉・平準の署の如き、其の斟酌して以て今に行ふべき者有らば、以て其の制を講ぜざるべからざるなり。軽重其の権を得、米価其の平を得、姦商猾賈をして利柄を専操すること無く、販夫販婦をして独り其の業を失ふこと無からしめ、善く利を導きて之を上下に布かば、則ち邦君以て士民に及ぶまで、其の穀多く蔵すべくして、経費も亦以て給すべし。士民倶に富めば、則ち商賈も亦随ひて其の利を受け、糶糴制有りて、上下倶に便なり。利を導く所以の者周ければなり。官府及び民間の取予貿易する所、多く米穀を用ゐて、金帛と相参ふれば、則ち米穀人間に流通して、一方に腐陳せざるなり。義社の倉に本づき、因りて以て陳を取り農に食はしむるの制と為さば、則ち細民乏しからずして、其の穀新旧相換ふべきなり。
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