抱朴子外篇 / 詰鮑
抱朴子詰曰:「請問古今帝王,盡辨難得之寶,聚奇怪之物乎?有不爾者也。余聞唐堯之為君也,捐金於山;虞舜之禪也,捐璧於谷。疏食菲服,方之監門,其不汔淵剖珠,傾巖刊玉,鑿石鑠黃白之礦,越海裂翡翠之羽,網瑇瑁於絕域,掘丹青於岷漢,亦可知矣。夫服章無殊,則威重不著,名位不同,則禮物異數,是以周公辨貴賤上下之異,式宮室居處,則有堵雉之限,冠蓋旌旗,則有文物之飾,車服器用,則有多少之制,庖廚供羞,則有法膳之品,年兇災眚,又減撤之。無已之欲,不在有道,子之所雲,可以聲桀紂之罪,不足以定雅論之證也。
新字:抱朴子詰曰:「請問古今帝王,尽弁難得之宝,聚奇怪之物乎?有不爾者也。余聞唐堯之為君也,捐金於山;虞舜之禅也,捐璧於谷。疏食菲服,方之監門,其不汔淵剖珠,傾巖刊玉,鑿石鑠黄白之礦,越海裂翡翠之羽,網瑇瑁於絶域,掘丹青於岷漢,亦可知矣。夫服章無殊,則威重不著,名位不同,則礼物異数,是以周公弁貴賤上下之異,式宮室居処,則有堵雉之限,冠蓋旌旗,則有文物之飾,車服器用,則有多少之制,庖廚供羞,則有法膳之品,年兇災眚,又減撤之。無已之欲,不在有道,子之所雲,可以声桀紂之罪,不足以定雅論之証也。
書き下し
抱朴子詰じて曰く、「請い問う、古今の帝王、尽く難得の宝を辨じ、奇怪の物を聚むるか。爾らざる者有り。余聞く、唐堯の君たるや、金を山に捐つ。虞舜の禅するや、璧を谷に捐つ。疏食菲服、之を監門に方ぶ。其れ淵に汔らず珠を剖き、巌を傾け玉を刊み、石を鑿ち黄白の鉱を鑠し、海を越え翡翠の羽を裂き、瑇瑁を絶域に網し、丹青を岷漢に掘らざるは、亦た知る可し。夫れ服章殊なる無くんば、則ち威重著れず。名位同じからざれば、則ち礼物数を異にす。是を以て周公は貴賤上下の異を辨じ、宮室居処を式るに、則ち堵雉の限り有り、冠蓋旌旗には、則ち文物の飾り有り、車服器用には、則ち多少の制有り、庖廚の供羞には、則ち法膳の品有り。年兇災眚には、又た之を減撤す。無已の欲、有道に在らず。子の云う所は、以て桀紂の罪を声す可きも、以て雅論の証を定むるに足らざるなり。
現代語訳
抱朴子は問い詰めて言う。「お尋ねする。古今の帝王は、ことごとく得がたい宝を求め、珍しい物を集めたのか。そうでない者もいる。私は聞いている。唐堯は君主であったとき、金を山に捨て、虞舜は禅譲するとき、璧を谷に捨てた。粗末な食べ物と粗末な衣服で、門番のような暮らしであった。淵に潜って珠を割き、岩を傾けて玉を刻み、石を掘って黄白の鉱石を溶かし、海を越えて翡翠の羽を裂き、瑇瑁を遠い国で網にかけ、丹砂や青い顔料を岷山や漢水で掘ることをしなかったことは、これでも分かる。服や徽章に区別がなければ威厳は現れず、名と位が同じでなければ礼物の数も異なる。そこで周公は貴賤上下の別を明らかにし、宮室や居所を定めるには、垣根の高さに限りを設け、冠や車蓋や旗には文様の飾りを設け、車や服や器には数量の制を設け、台所の食事には法として定めた品目を設けた。凶作や災害の年には、さらにこれを減らして撤した。尽きない欲は、道ある君主にはない。あなたの言うことは、桀や紂の罪を責める言葉にはなっても、高雅な論の証とするには足りない。
解説
この章句が説くこと
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