導師導古典を学びたいすべての人に 法人向けワークシート法人向けワークシート

抱朴子外篇 / 應嘲

抱樸子曰:客嘲余雲:「先生載營抱一,韜景靈淵,背俗獨住,邈爾蕭然。計決而猶豫,不棲於心術;分定而世累,無系於胸間。伯陽以道德為首,莊周以逍遙冠篇,用能標峻格於九霄,宣芳烈於罔極也。今先生高尚勿用,身不服事,而著君道臣節之書;不交於世,而作譏俗救生之論;甚愛骨幹毛,而綴用兵戰守之法;不營進趨,而有審舉窮達之篇;蒙竊惑焉。」

新字:抱樸子曰:客嘲余雲:「先生載営抱一,韜景霊淵,背俗独住,邈爾蕭然。計決而猶予,不棲於心術;分定而世累,無系於胸間。伯陽以道徳為首,荘周以逍遥冠篇,用能標峻格於九霄,宣芳烈於罔極也。今先生高尚勿用,身不服事,而著君道臣節之書;不交於世,而作譏俗救生之論;甚愛骨幹毛,而綴用兵戦守之法;不営進趨,而有審舉窮達之篇;蒙窃惑焉。」

書き下し

抱朴子曰く、客余を嘲りて云う、「先生は営を載せ一を抱き、景を霊淵に韜み、俗に背き独り住み、邈爾として蕭然たり。計決して猶豫は、心術に棲まず、分定まりて世累は、胸間に系らず。伯陽は道徳を以て首と為し、荘周は逍遥を以て篇に冠す。用って能く峻格を九霄に標し、芳烈を罔極に宣ぶ。今先生は高尚して用いられず、身は服事せずして、君道臣節の書を著す。世に交わらずして、俗を譏り生を救うの論を作る。甚だ骨幹毛を愛しながら、用兵戦守の法を綴る。進趨を営まずして、審挙窮達の篇有り。蒙は竊かに惑う」と。

現代語訳

抱朴子は言う。客が私を嘲って言った。「先生は魂を載せて一を抱き、光を霊妙な淵に隠し、俗に背いて独り住み、遥かに静かでもの寂しい。心の中で計りごとが決まれば迷いは心術に宿らず、分が定まれば世のわずらいは胸に繋がらない。伯陽(老子)は道徳を巻頭に据え、荘周は逍遥を篇の冒頭に置いた。そうして高い品格を九天に掲げ、芳しい名声を果てしなく広めたのだ。ところが今、先生は高尚にして用いられず、身は仕えもしないのに、君の道・臣の節を論じた書を著し、世と交わらないのに、俗を譏り生を救う論を作っている。ひどく身を愛しておきながら、兵を用いて戦い守る法を綴り、出世を営まないのに、人を審らかに挙げ窮達を論ずる篇まである。私は内心惑っている」と。

解説

客の嘲りです。老子は道徳、荘子は逍遥を巻頭に据えて名を高めたのに、あなたは隠遁して仕えないのに、君臣の道、兵法、人材登用の書を著している。矛盾ではないか、と詰めます。客の論点は、実践の外にいる者が実務を論じる資格があるのか、という点です。現場の外から助言する立場にとって、いつも突きつけられる疑問です。外から言う人は、自分の言葉の有効範囲と根拠を示す必要があります。次の段の返答が、その線引きの答えになります。

この章句が説くこと

今先生は高尚して用いられず君道臣節の書を著す俗を譏り生を救うの論を作る批判矛盾資格

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る