抱朴子外篇 / 廣譬
抱樸子曰:懸象雖薄蝕,不可以比螢燭之貞耀;黃河雖混渾,不可以方沼沚之清澄。山雖崩,猶峻於丘垤;虎雖瘠,猶猛於豺狼。
新字:抱樸子曰:懸象雖薄蝕,不可以比蛍燭之貞耀;黄河雖混渾,不可以方沼沚之清澄。山雖崩,猶峻於丘垤;虎雖瘠,猶猛於豺狼。
書き下し
抱朴子曰く、懸象は薄蝕すと雖も、以て螢燭の貞耀に比す可からず。黄河は混渾すと雖も、以て沼沚の清澄に方ぶ可からず。山は崩ると雖も、猶お丘垤より峻し。虎は瘠すと雖も、猶お豺狼より猛し。
現代語訳
抱朴子は言う。天に懸かる日月は欠けたり蝕されたりしても、蛍や灯火の確かな光とは比べられない。黄河は濁っていても、沼や小さな中洲の澄んだ水と並べられない。山は崩れても、小さな丘や蟻塚よりは高い。虎は痩せても、豺や狼よりは猛々しい。
解説
日月が蝕しても蛍の光とは比べられず、黄河が濁っても小池の清さとは並ばない。山は崩れても丘より高く、痩せた虎も豺狼より猛い。大器の欠点を、小器の長所と同列に論じるな、という論です。短所のない小物より、短所のある大物の方が価値が大きいことがある、という人物評価の指針になります。減点法で人を見ると、欠点のない平均的な人が残り、突出した人が落ちます。採用や登用で、欠点の数ではなく器の大きさを基準に見る余地を残しておく。その目線を管理職が持つかどうかは大きな違いです。
この章句が説くこと
猶お丘垤より峻し虎は瘠すと雖も黄河は混渾すと雖も大器欠点人物評
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