抱朴子外篇 / 博喻
抱樸子曰:小疵不足以損大器,短疒火不足以累長才。日月挾蟲鳥之瑕,不妨麗天之景,黃河合泥滓之濁,不害淩山之流。樹塞不可以棄夷吾,奪田不可以薄蕭何,竊妻不可以廢相如,受金不可以斥陳平。
新字:抱樸子曰:小疵不足以損大器,短疒火不足以累長才。日月挟虫鳥之瑕,不妨麗天之景,黄河合泥滓之濁,不害淩山之流。樹塞不可以棄夷吾,奪田不可以薄蕭何,窃妻不可以廃相如,受金不可以斥陳平。
書き下し
抱朴子曰く、小疵は以て大器を損なうに足らず、短疢は以て長才を累わすに足らず。日月は虫鳥の瑕を挟むも、天に麗く景を妨げず、黄河は泥滓の濁を合するも、山を淩ぐ流を害せず。樹塞は以て夷吾を棄つ可からず、奪田は以て蕭何を薄んず可からず、竊妻は以て相如を廃す可からず、受金は以て陳平を斥く可からず。
現代語訳
抱朴子は言う。小さな傷は大きな器を損なうには足りず、短い病のような欠点は長い才を煩わすには足りない。日月は虫や鳥のような影を抱えていても、天にかかる光を妨げず、黄河は泥や滓の濁りを合わせていても、山を越える流れを損なわない。樹塞の非は夷吾(管仲)を捨てる理由にならず、田を奪った非は蕭何を軽んじる理由にならず、妻を盗んだ非は相如を退ける理由にならず、金を受けた非は陳平を斥ける理由にならない。
解説
「小疵は以て大器を損なうに足らず」。日月に鳥や虫のような影があっても空に懸かる光は変わらず、黄河は泥を含んでも山を越える流れを失いません。例に挙がる管仲や蕭何、陳平らは、それぞれ咎を背負いながら大きな働きをした人々です。欠点のない人を探すと、結局は大きな仕事をする人も落とします。登用では、致命的な欠陥と許容できる癖を分けて見る基準が要ります。小さな減点で人材を落とす減点方式の人事は、器の大きい人ほど落としやすい、という指摘として読めます。
この章句が説くこと
小疵は以て大器を損なうに足らず黄河は泥滓の濁を合するも受金は以て陳平を斥く可からず大器欠点
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