抱朴子外篇 / 廣譬
抱樸子曰:林繁則匠入矣,珠美則蟲奉裂矣。石含金者焚鑠,草任藥者剪掘,刃利則先缺,弦哀則速絕。用以適己,真人之寶也;才合世求,有伎之災也。
新字:抱樸子曰:林繁則匠入矣,珠美則虫奉裂矣。石含金者焚鑠,草任薬者剪掘,刃利則先欠,弦哀則速絶。用以適己,真人之宝也;才合世求,有伎之災也。
書き下し
抱朴子曰く、林繁ければ則ち匠入り、珠美なれば則ち蟲奉りて裂かる。石の金を含む者は焚鑠せられ、草の薬に任ずる者は剪掘せらる。刃利ければ則ち先ず欠け、弦哀しければ則ち速やかに絶ゆ。用いて以て己に適うは、真人の宝なり。才の世の求めに合うは、技有るの災いなり。
現代語訳
抱朴子は言う。林が茂れば大工が入り、珠が美しければ虫がたかって傷つける。金を含む石は焼かれて溶かされ、薬に使える草は刈られ掘り取られる。刃が鋭ければまず欠け、弦の音が悲しく張り詰めていればすぐに切れる。自分に適うように用いるのは、真人の宝である。才が世の求めに合うのは、技ある者の災いである。
解説
繁った林には木こり、美しい珠には虫、金を含む石は焼かれ、薬になる草は掘られる。有用さが災いを呼ぶ例を重ね、「才の世の求めに合うは、技有るの災い」と結びます。対置された「用いて以て己に適うは、真人の宝」は、自分のために用いる力は宝だ、という意味です。優秀な人ほど周囲の要求で消耗し、使い潰されます。管理職は、有能な部下に仕事を集中させていないか、本人の望む使い方になっているかを点検する必要があります。
この章句が説くこと
刃利ければ則ち先ず欠け才の世の求めに合うは技有るの災いなり林繁ければ則ち匠入り才能消耗
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