抱朴子外篇 / 廣譬
抱樸子曰:與奪不汨其神者,至粹者也;利害不染其和者,極醇者也。浩浩乎非瓢觶所校矣,茫茫乎非跬步所尋矣。聲希所以為大音,和寡所以崇我貴,玄黃遼邈而不與□其曠,死生大矣,而不以改其守,常分細碎,將胡恤焉?
新字:抱樸子曰:与奪不汨其神者,至粋者也;利害不染其和者,極醇者也。浩浩乎非瓢觶所校矣,茫茫乎非跬歩所尋矣。声希所以為大音,和寡所以崇我貴,玄黄遼邈而不与□其曠,死生大矣,而不以改其守,常分細砕,将胡恤焉?
書き下し
抱朴子曰く、与奪も其の神を汨さざる者は、至粋なる者なり。利害も其の和を染めざる者は、極醇なる者なり。浩浩乎として瓢觶の校ぶる所に非ず、茫茫乎として跬歩の尋ぬる所に非ず。声希なる所以は大音為ればなり、和寡なる所以は我が貴きを崇ぶ。玄黄遼邈として与に□其の曠きをせず、死生大なり、而るに以て其の守を改めず。常分の細碎、将に胡ぞ恤えんや。
現代語訳
抱朴子は言う。与えられることも奪われることもその精神を乱さない者は、きわめて純粋な者である。利も害もその和を染めない者は、きわめて醇なる者である。その広大さは小さな杯や瓢で量れるものではなく、果てしなさは半歩ずつ歩いて尋ねられるものではない。声が希なのはそれが大音だからであり、和する者が少ないのは自分の貴さを高く保つからである。天地は遥かに隔たり広い(ここは原文に欠字があり、文意が取りにくい)。死生は大事であるが、それでも守るところを改めない。日常の細々した分け前など、どうして気にかけようか。
解説
「与奪も其の神を汨さざる者」「利害も其の和を染めざる者」と、乱されない心を二度言い直し、物差しで測れない大きさを匂わせます。「声希なる所以は大音為ればなり」は『老子』の「大音希声」に通じる言い方で、評価の少なさは小ささの証拠ではない、という含みがあります。理解されない時期を耐える人への慰めにもなります。一方で、孤立を美化するだけではただの頑固です。守るべき一点を決め、その他の細かな損得には動じない、という線の引き方として読むとよいでしょう。
この章句が説くこと
声希なる所以は大音為ればなり利害も其の和を染めざる者は死生大なり平心大音守
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