呻吟語 / 外篇・廣喻・兄は便宜を討り得ること多し
僚友笑曰:「餘口津且竭矣,而咽若火,始信兄討得便宜多也。」
新字:僚友笑曰:「余口津且竭矣,而咽若火,始信兄討得便宜多也。」
書き下し
僚友笑ひて曰く、「余は口津且に竭きんとす。而して咽は火の若し。始めて信ず、兄は便宜を討り得ること多きを」と。
現代語訳
同僚は笑って言いました。私は口の唾が尽きかけ、喉は火のようです。今やっと分かりました、あなたのほうがずっと得をしていると。
解説
同僚自身が負けを認める形で締められます。口の唾が尽き、喉が火のよう。尋ね続け罵り続けた代価が、体の状態として現れています。そして得をしたのはあなただ、と。説教ではなく本人の実感として結論が出るので、三段の話が無理なく落ちます。旅の一場面が、そのまま焦りの無益さの証明になっています。三段の話が、無理なく落ちる締め方になっています。
この章句が説くこと
消耗実感負け代価落ち
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