孫子 / 作戦篇
力屈財殫,中原內虛於家。百姓之費,十去其七;公家之費,破車罷馬,甲胄矢弩,戟楯蔽櫓,丘牛大車,十去其六。
新字:力屈財殫,中原内虚於家。百姓之費,十去其七;公家之費,破車罷馬,甲胄矢弩,戟楯蔽櫓,丘牛大車,十去其六。
書き下し
力屈き財殫き、中原内は家に虚し。百姓の費、十に其の七を去り、公家の費、破車罷馬、甲冑矢弩、戟楯蔽櫓、丘牛大車、十に其の六を去る。
現代語訳
力は尽き財は底をつき、国の内側では家々が空になる。民の蓄えは十のうち七が消え、国家の財は、壊れた車、疲れた馬、武具や弓矢、盾や櫓、輸送用の牛や大車といった消耗で、十のうち六が失われる。
解説
長期戦の代償を、孫子は具体的な数字で示した。七割、六割という数え方が生々しい。戦っている当人には見えにくいが、消耗は前線ではなく後方で起きている。組織でも同じで、長引く案件の本当のコストは、その案件の予算書には載らない。動員された人の時間、止まった他の仕事、すり減った信用——それらは決算に出ないまま組織を空洞化させる。撤退の判断が遅れる会社は、この見えないコストを数えていない。
この章句が説くこと
消耗長期戦コスト国力撤退判断
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