孫子 / 作戦篇
夫鈍兵挫銳,屈力殫貨,則諸侯乘其弊而起,雖有智者,不能善其後矣。
新字:夫鈍兵挫鋭,屈力殫貨,則諸侯乗其弊而起,雖有智者,不能善其後矣。
書き下し
夫れ兵を鈍らせ鋭を挫き、力を屈し貨を殫くせば、則ち諸侯其の弊に乗じて起こり、智者有りと雖も、其の後を善くすること能わず。
現代語訳
兵を鈍らせ、鋭気をくじき、戦力を消耗し、財を使い果たせば、そのすきに乗じて他の諸侯が攻めてくる。そうなっては、どんな知恵者がいても、後始末をつけることはできない。
解説
作戦篇で、長期戦の本当の恐ろしさを説いた一節です。孫子は、戦いが長引いて自軍が疲弊し財を使い果たしたとき、最も危険なのは目の前の敵ではなく「第三者」だと言います。あなたが消耗しきったその瞬間を、周りの諸侯は虎視眈々と狙っている。弱ったところを横から突かれれば、もはやどんな名将でも立て直せない、というのです。勝ち負け以前に、消耗そのものが命取りになる。ビジネスでも、消耗戦で体力を削り合っているうちに、まったく別の競合や新規参入者に市場をさらわれることは珍しくありません。目の前の相手との長期戦にのめり込むほど、外からの脅威に無防備になる。だからこそ速く決着させ、余力を残す。消耗は、見えない敵を呼び込むと、この一節は警告します。
この章句が説くこと
財力長期戦の害資源消耗漁夫の利余力を残す
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