抱朴子外篇 / 廣譬
抱樸子曰:常制不可以待變化,一途不可以應無方,刻船不可以索遺劍,膠柱不可以諧清音。故翠蓋不設於晴朗,朱輪不施於涉川,味淡則加之以鹽,沸溢則增水而減火。
新字:抱樸子曰:常制不可以待変化,一途不可以応無方,刻船不可以索遺剣,膠柱不可以諧清音。故翠蓋不設於晴朗,朱輪不施於渉川,味淡則加之以塩,沸溢則增水而減火。
書き下し
抱朴子曰く、常制は以て変化を待つ可からず、一途は以て無方に応ず可からず、舟に刻みて以て遺剣を索む可からず、柱に膠して以て清音を諧う可からず。故に翠蓋は晴朗に設けず、朱輪は渉川に施さず、味淡ければ則ち之に加うるに塩を以てし、沸溢れば則ち水を増して火を減ず。
現代語訳
抱朴子は言う。決まった制度で変化に備えることはできず、一本の道筋で定まらない事態に応じることもできない。舟べりに印をつけて落とした剣を探したり、琴柱を膠で固めて清らかな音を調えたりはできない。だから翡翠の傘は晴れた日には広げず、朱塗りの車輪は川を渡るときには用いない。味が薄ければ塩を加え、煮え立ってあふれれば水を足して火を弱める。
解説
「舟に刻みて遺剣を索む」「柱に膠して清音を諧う」。舟が動いているのに印の位置で剣を探す愚と、琴柱を固定して調律しようとする愚が並ぶ、状況変化を無視する戒めです。後半は、晴れの日に傘は不要で、薄ければ塩、あふれれば火を弱めるという、場面に応じた打ち手の例です。マニュアルや前例は便利ですが、状況が変われば役に立たなくなります。手順を守ることが目的化していないか、時々問い直す視点が要ります。
この章句が説くこと
舟に刻みて以て遺剣を索む可からず柱に膠して以て清音を諧う可からず味淡ければ則ち之に加うるに塩を以てし前例柔軟
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