抱朴子外篇 / 廣譬
抱樸子曰:丹書鐵券,刺牲歃血,不能救違約之弊,則難以結繩檢矣。五刑九伐,赤族之威,不足以止覬覦之奸,則不可以舞幹化矣。是以《書》有世重之文,《易》有隨時之宜。
新字:抱樸子曰:丹書鉄券,刺牲歃血,不能救違約之弊,則難以結縄検矣。五刑九伐,赤族之威,不足以止覬覦之奸,則不可以舞幹化矣。是以《書》有世重之文,《易》有随時之宜。
書き下し
抱朴子曰く、丹書鉄券、牲を刺し血を歃るも、違約の弊を救う能わざれば、則ち結縄の検を以てし難し。五刑九伐、赤族の威も、覬覦の奸を止むるに足らざれば、則ち干を舞わして化す可からず。是を以て《書》に世重の文有り、《易》に随時の宜有り。
現代語訳
抱朴子は言う。丹書の鉄券を作り、生贄を殺して血をすすって誓っても、約束違反の弊害を救えないのであれば、縄を結んで記憶の目印とした太古のやり方で取り締まるのは難しい。五つの刑罰や九つの征伐、一族皆殺しの威勢をもってしても、身分不相応な望みを抱く悪事を止めるのに足りないのであれば、盾を持って舞うだけで教化することはできない。それゆえ『書』には時代の軽重に応じた文があり、『易』には時に随う適切さがある。
解説
「違約の弊を救う能わざれば、則ち結縄の検を以てし難し」。鉄の証文や血の誓いを用いても約束違反が止まらない世で、縄の結び目で済ませた太古の素朴さは通用しないという論です。厳罰をもってしても野心が絶えないなら、徳による感化だけでも足りません。だから『書』は世の軽重を論じ、『易』は時に随う宜しきを説くと結びます。契約や社内規程も同じで、時代と相手に合わせて厚みを変える必要があります。昔の人間関係を前提にした運用は、そのままでは効きません。
この章句が説くこと
違約の弊を救う能わざれば結縄の検を以てし難し《易》に随時の宜有り時宜契約
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