抱朴子外篇 / 廣譬
抱樸子曰:浮海滄者,必精占於風氣,故保利涉之福。善蒞政者,必戰戰於得失,故享惟永之慶。故暗君之所輕,蓋明主之所重也。亡國之所棄,則治世之所行也。
新字:抱樸子曰:浮海滄者,必精占於風気,故保利渉之福。善莅政者,必戦戦於得失,故享惟永之慶。故暗君之所軽,蓋明主之所重也。亡国之所棄,則治世之所行也。
書き下し
抱朴子曰く、海滄に浮かぶ者は、必ず風気を精しく占う、故に利渉の福を保つ。善く政に蒞む者は、必ず得失に戦戦たり、故に惟れ永きの慶を享く。故に暗君の軽んずる所は、蓋し明主の重んずる所なり。亡国の棄つる所は、則ち治世の行う所なり。
現代語訳
抱朴子は言う。大海に舟を浮かべる者は、必ず風や気配を細かく占う。だから無事に渡る福を保てる。政治に臨むのが上手な者は、必ず得失を恐れつつ慎む。だから長く続く慶びを受ける。それゆえ、暗愚な君主が軽んじるものは、明君が重んじるものである。滅びる国が捨てるものは、治まった世が行うものである。
解説
「得失に戦戦たり」。舟で海に出る者が風向きを入念に占うように、政治に当たる者も常に恐れ慎むべきだと説く段です。続く対句は、暗君が軽んじるものを明君は重んじ、亡国が捨てたものを治世は実行するという、二つの世の逆さまを言います。経営でも、傾く会社ほど基本的な点検や小さな不満の聞き取りを面倒がり、続く会社ほど地味な確認を欠かしません。順調なときこそ天気を読む手間を惜しまないことが、長続きの条件になります。
この章句が説くこと
必ず風気を精しく占う得失に戦戦たり暗君の軽んずる所は蓋し明主の重んずる所なり慎重点検
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