格言聯璧 / 持躬類・難久の友は交はること休かれ
難酬之恩休受,難久之友休交。 難再之時休失,難守之財休積。 難雪之謗休辯,難釋之忿休較。 飯休不嚼便咽,路休不看便走,話休不想便說,事休不想便做,衣要不慎便脫,財休不審便取,氣休不忍便動,友休不擇便交。
新字:難酬之恩休受,難久之友休交。 難再之時休失,難守之財休積。 難雪之謗休弁,難釈之忿休較。 飯休不嚼便咽,路休不看便走,話休不想便説,事休不想便做,衣要不慎便脱,財休不審便取,気休不忍便動,友休不択便交。
書き下し
酬い難きの恩は受くること休かれ、久しくし難きの友は交はること休かれ。 再びし難きの時は失ふこと休かれ、守り難きの財は積むこと休かれ。 雪ぎ難きの謗りは辯ずること休かれ、釋き難きの忿りは較ぶること休かれ。 飯は嚼まずして便ち咽むこと休かれ、路は看ずして便ち走ること休かれ、話は想はずして便ち說くこと休かれ、事は想はずして便ち做すこと休かれ、衣は慎まずして便ち脫ぐを要せず、財は審かにせずして便ち取ること休かれ、氣は忍ばずして便ち動くこと休かれ、友は擇ばずして便ち交はること休かれ。
現代語訳
報いがたい恩は受けてはならず、長く続けがたい友とは交わってはなりません。 二度と来ない時は失ってはならず、守りがたい財は積んではなりません。 晴らしがたい悪口には弁解してはならず、解きがたい怒りについては張り合ってはなりません。 ご飯はよくかまずに飲み込んではならず、道はよく見ずに歩いてはならず、話はよく考えずに口にしてはならず、事はよく考えずに行ってはならず、着物は用心せずに脱いではならず、財は確かめずに受け取ってはならず、気持ちは堪えずに動いてはならず、友は選ばずに交わってはなりません。
解説
前の単位から続く「難き」の列で、報いがたい恩、続かない友、二度と来ない時、守れない財、晴らせない謗り、解けない怒りについての心得を並べます。雪ぎがたい悪口に弁解せず、解けない怒りに張り合わないというのは、かえって事を大きくしないための知恵です。後半は「〜せずして便ち〜すること休かれ」の八句で、飯をかまずに飲み込むことから、友を選ばずに交わることまで、日常のうっかりを戒めます。底本は着物の句だけ「休」でなく「要」ですが、他の句にそろえて読みました。どの句も、一呼吸置いて確かめるという一つの習慣に帰着します。
この章句が説くこと
慎重交友持躬節度忍耐
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