抱朴子外篇 / 廣譬
抱樸子曰:二儀不能廢春秋以成歲,明主不能舍刑德以致治。故誅貴所以立威,賞賤所以勸善。罰上達,則奸萌破而非懦弱所能用也;惠下逮,則遠人懷而非儉吝所能辦也。
新字:抱樸子曰:二儀不能廃春秋以成歳,明主不能舎刑徳以致治。故誅貴所以立威,賞賤所以勧善。罰上達,則奸萌破而非懦弱所能用也;恵下逮,則遠人懐而非倹吝所能辦也。
書き下し
抱朴子曰く、二儀も春秋を廃して以て歳を成す能わず、明主も刑徳を舎てて以て治を致す能わず。故に貴きを誅するは威を立つる所以にして、賤しきを賞するは善を勧むる所以なり。罰の上に達すれば、則ち奸萌破れて、懦弱の能く用うる所に非ざるなり。恵の下に逮べば、則ち遠人懐きて、倹吝の能く弁ずる所に非ざるなり。
現代語訳
抱朴子は言う。天地も春と秋を除いて一年を成り立たせることはできず、明君も刑罰と恩徳を捨てて世を治めることはできない。だから身分の高い者を罰するのは威令を確立するためであり、身分の低い者を賞するのは善行を励ますためである。罰が上の者にまで届けば悪の芽は砕かれるが、それは気の弱い者にできることではない。恵みが下の者に及べば遠方の人も慕って来るが、それはけちな者にできることではない。
解説
「貴きを誅するは威を立つる所以にして、賤しきを賞するは善を勧むる所以」。罰は上に厳しく、賞は下に厚くという向きが、この段の要点です。春と秋のどちらが欠けても一年にならないように、厳しさと恵みは両方が要ります。そして罰は気弱な人にはできず、恵みはけちな人にはできないと言います。組織でも、ミスの責任を下に押しつけ、手柄は上が持っていくと信頼は崩れます。役職が上の人の不始末を正し、現場の小さな貢献を拾うことが、規律の土台になります。
この章句が説くこと
貴きを誅するは威を立つる所以賤しきを賞するは善を勧むる所以刑徳を舎てて以て治を致す能わず賞罰威恵
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