抱朴子外篇 / 廣譬
抱樸子曰:人才無定珍,器用無常道,直趨者以適世為奇,役禦者以合時為妙。故玄冰結則五明捐,隆暑熾則裘爐退,高鳥聚則良弓發,狡兔多則盧鵲走,幹戈興則武夫奮,韶夏作則文儒起。
新字:抱樸子曰:人才無定珍,器用無常道,直趨者以適世為奇,役禦者以合時為妙。故玄冰結則五明捐,隆暑熾則裘炉退,高鳥聚則良弓発,狡兔多則盧鵲走,幹戈興則武夫奮,韶夏作則文儒起。
書き下し
抱朴子曰く、人才に定珍無く、器用に常道無し。直ちに趨く者は世に適うを以て奇と為し、役禦する者は時に合うを以て妙と為す。故に玄冰結べば則ち五明捐てられ、隆暑熾んなれば則ち裘爐退き、高鳥聚まれば則ち良弓発し、狡兎多ければ則ち盧鵲走り、干戈興れば則ち武夫奮い、韶夏作れば則ち文儒起こる。
現代語訳
抱朴子は言う。人の才に決まった宝はなく、器の用いかたに不変の道はない。まっすぐ赴く者は世に適うことを奇とし、物を使い御する者は時に合うことを妙とする。だから黒い氷が張れば五明の扇は捨てられ、厳しい暑さが盛んならば毛皮と炉は退き、高く飛ぶ鳥が集まれば良い弓が放たれ、すばしこい兎が多ければ名犬の盧や鵲が走り、戦が起これば武人が奮い立ち、韶や夏の雅楽が奏でられれば文人や儒者が起こる。
解説
人材の価値は固定されず、時勢で変わるという段です。「人才に定珍無く、器用に常道無し」。冬の氷が張れば扇は捨てられ、猛暑には毛皮と炉が引っ込み、獲物が増えれば猟犬が走り、戦が起これば武人が奮い、雅楽が演奏されれば文人が起こります。同じ人でも局面で扱いが変わります。評価が下がったのは能力の衰えでなく、時が合わなくなっただけかもしれず、そう捉えれば配置換えや待機の判断もしやすくなります。同時に、自分の強みが求められる局面を読む目を持つことの重要さも示しています。
この章句が説くこと
人才に定珍無く器用に常道無し時に合うを以て妙と為す時勢適材
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