抱朴子外篇 / 廣譬
抱樸子曰:務於遠者或失於近,治其外者或患生乎內。覆頭者不必能令足不濡,蔽腹者不必能令背不傷。故秦始築城遏胡而禍發幃幄,漢武懸旌萬里而變起蕭墻。
新字:抱樸子曰:務於遠者或失於近,治其外者或患生乎内。覆頭者不必能令足不濡,蔽腹者不必能令背不傷。故秦始築城遏胡而禍発幃幄,漢武懸旌万里而変起蕭墻。
書き下し
抱朴子曰く、遠きに務むる者は或いは近きに失い、其の外を治むる者は或いは患い内に生ず。頭を覆う者は必ずしも足をして濡れざらしむる能わず、腹を蔽う者は必ずしも背をして傷つかざらしむる能わず。故に秦始築城して胡を遏むるも、禍は幃幄に発し、漢武は旌を万里に懸くるも、変は蕭牆に起こる。
現代語訳
抱朴子は言う。遠くに努める者はときに近くを失い、その外を治める者はときに患いが内に生じる。頭を覆う者が必ずしも足を濡らさずにおけるわけではなく、腹を蔽う者が必ずしも背を傷つけずにおけるわけではない。だから秦の始皇は城を築いて胡を防いだが、禍は帳の内から起こり、漢の武帝は旗を万里の彼方に立てたが、変事は垣根の内側から起きた。
解説
遠くを見て近くを失う誤りを戒める段です。秦の始皇は長城を築いて胡を防ぎましたが、禍は寝室の幕の内から起き、漢の武帝は万里の彼方に旗を立てても、変は垣根の内側から起こりました。「頭を覆う者は必ずしも足をして濡れざらしむる能わず」。頭を覆っても足は濡れ、腹を覆っても背は傷つく。外の競合や新市場に意識を集中している間に、社内の人間関係や後継者、資金繰りといった足元が崩れる例は多く、攻めと守りの配分を見直す視点を与える段です。
この章句が説くこと
遠きに務むる者は或いは近きに失い禍は幃幄に発し変は蕭牆に起こる足元内憂
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