抱朴子外篇 / 廣譬
抱樸子曰:渾沌之原,無皎澄之流;毫厘之根,無連抱之枝;分寸之燼,無炎遠之熱;隙穴之中,無炳蔚之群;鉤曲之形,無繩直之影;叁差之上,無整齊之下。
新字:抱樸子曰:渾沌之原,無皎澄之流;毫厘之根,無連抱之枝;分寸之燼,無炎遠之熱;隙穴之中,無炳蔚之群;鉤曲之形,無縄直之影;叁差之上,無整斉之下。
書き下し
抱朴子曰く、渾沌の原に皎澄の流無く、毫厘の根に連抱の枝無く、分寸の燼に炎遠の熱無く、隙穴の中に炳蔚の群無く、鉤曲の形に縄直の影無く、参差の上に整斉の下無し。
現代語訳
抱朴子は言う。混沌とした源には澄みきった流れはなく、毛筋ほどの根には抱えきれぬ太さの枝はなく、わずかな燠火には遠くまで及ぶ炎の熱はなく、隙間や穴の中には輝き茂る群れはなく、曲がった鉤の形には真っすぐな縄の影はなく、不揃いな上には整った下はない。
解説
上が乱れていれば下は整わないという因果を、六つの比喩で畳みかける段です。濁った源から澄んだ流れは出ず、細い根から太い枝は出ず、曲がった物から真っすぐな影は落ちません。最後の「参差の上に整斉の下無し」は、不揃いな上に整った下はない、と組織の話へ直結します。部下に規律や誠実さを求めるなら、まず源である上の振る舞いを揃える必要があります。下の乱れを個々の資質として叱る前に、上が乱れの源になっていないかを疑う視点を与える段です。
この章句が説くこと
渾沌の原に皎澄の流無く鉤曲の形に縄直の影無く参差の上に整斉の下無し源流上下
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