抱朴子外篇 / 廣譬
抱樸子曰:粗理不可浹全,能事不可舉兼。故懸象明而可蔽,山川滯而或移,金玉剛而可柔,堅冰密而可離。公旦不能與伯氏跟絓於馮雲之峻,仲尼不能與呂梁較伎於百仞之溪。
新字:抱樸子曰:粗理不可浹全,能事不可舉兼。故懸象明而可蔽,山川滞而或移,金玉剛而可柔,堅冰密而可離。公旦不能与伯氏跟絓於馮雲之峻,仲尼不能与呂梁較伎於百仞之渓。
書き下し
抱朴子曰く、粗理は全きを浹くす可からず、能事は兼ねるを挙ぐ可からず。故に懸象明らかなるも蔽う可く、山川滞るも或いは移る可く、金玉剛きも柔らかにす可く、堅冰密なるも離す可し。公旦は伯氏と馮雲の峻に跟絓する能わず、仲尼は呂梁と伎を百仞の渓に較ぶる能わず。
現代語訳
抱朴子は言う。大まかな理は全てに行きわたらせることができず、巧みな者も万事を兼ね備えることはできない。だから天に懸かる像は明るくても覆われることがあり、山川は滞っていても移ることがあり、金玉は硬くても柔らかくでき、堅い氷も密であっても割ることができる。周公旦は伯氏と雲に届く険しい所でよじ登りを競うことができず、孔子は呂梁(の者)と百仞の渓で技を比べることができない。
解説
万能の人はいない、という段です。「能事は兼ねるを挙ぐ可からず」。日月のように明るいものにも蔽われる日があり、金玉のような硬いものも柔らかくできる。聖人の周公や孔子でさえ、険しい崖登りや深い渓での技のような特定の分野では、その道の人に及ばないと言います。管理職にも、全てに通じていなければ務まらないという思い込みが生じがちです。自分が劣る分野は得意な人に任せ、全体の判断に力を注ぐほうが、チームとしての成果が出ます。得意不得意を隠さず見せる素地にもなります。
この章句が説くこと
能事は兼ねるを挙ぐ可からず粗理は全きを浹くす可からず金玉剛きも柔らかにす可く万能分担
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