抱朴子外篇 / 博喻
抱樸子曰:尋飛絕景之足,而不能騁逸放於呂梁;淩波泳淵之屬,而不能陟峻而攀危。故離朱剖秋毫於百步,而不能辯八音之雅俗;子野合通靈之絕響,而不能指白黑於咫尺。
新字:抱樸子曰:尋飛絶景之足,而不能騁逸放於呂梁;淩波泳淵之属,而不能陟峻而攀危。故離朱剖秋毫於百歩,而不能弁八音之雅俗;子野合通霊之絶響,而不能指白黒於咫尺。
書き下し
抱朴子曰く、飛を尋ね景を絶つの足も、逸放を呂梁に騁する能わず、波を淩ぎ淵に泳ぐの属も、峻きに陟り危きに攀ずる能わず。故に離朱は秋毫を百歩に剖つも、八音の雅俗を弁ずる能わず、子野は通霊の絶響を合わすも、白黒を咫尺に指す能わず。
現代語訳
抱朴子は言う。飛ぶものを追い影を絶つほどの足も、呂梁の急流で思うままに駆け回ることはできず、波を越えて深い淵に泳ぐ類も、険しい所に登り危うい所によじ登ることはできない。だから離朱は百歩先の秋毫を見分けるが、八音の雅俗を聞き分けられず、子野は霊に通じる絶妙の音を合わせるが、目の前の白と黒を指し示せない。
解説
足の速い者も水では動けず、泳ぐ者は崖に登れない。目の鋭い者は音を聞き分けられず、耳の鋭い者は近くの白黒が見えない、と極端な例を重ねます。「八音の雅俗を弁ずる能わず」。一芸の頂点にいる者ほど、他の領域では普通以下でありうる、という指摘です。花形の営業担当をそのまま管理職に据えて苦戦する、といった場面に重なります。適性は科目ごとに違うので、成績の良さを別の役割の保証と見ないことが、配置の出発点になります。
この章句が説くこと
波を淩ぎ淵に泳ぐの属も離朱は秋毫を百歩に剖つも八音の雅俗を弁ずる能わず適性一芸配置
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