抱朴子外篇 / 博喻
抱樸子曰:沖飈傾山,而不能效力於拔毫;火爍金石,而不能耀烈以起濕。是以淮陰善戰守,而拙理治之策;絳侯安社稷,而乏承對之給。
新字:抱樸子曰:沖飈傾山,而不能効力於抜毫;火爍金石,而不能耀烈以起湿。是以淮陰善戦守,而拙理治之策;絳侯安社稷,而乏承対之給。
書き下し
抱朴子曰く、沖飈は山を傾くるも、力を毫を抜くに効す能わず、火は金石を爍かすも、烈を耀かして以て湿を起こす能わず。是を以て淮陰は戦守に善くして、理治の策に拙く、絳侯は社稷を安んじて、承対の給に乏し。
現代語訳
抱朴子は言う。つむじ風は山を傾けるほどでも、細い毛一本を抜くことに力を尽くすことはできず、火は金石を溶かすほどでも、その烈しさを光らせて湿り気を起こすことはできない。だから淮陰侯は戦いと守りに優れていたが、政治を治める策には拙く、絳侯は社稷を安んじたが、受け答えの機転には乏しかった。
解説
強い力にも向き不向きがある、というたとえから始まります。風は山を傾けても毛一本は抜けず、火は金石を溶かしても湿り気は起こせない。そこに淮陰侯と絳侯の名を置き、前者は戦守に優れ政治の策に拙い、後者は社稷を安んじたが受け答えの機転に乏しい、と言います。原文の書く範囲では、人は一つの力に偏るのが常だということです。現場で優秀なプレイヤーを管理職に上げて失敗する話に重なります。得意な力と求められる力が違うと知ったうえで、配置を考える材料になります。
この章句が説くこと
淮陰は戦守に善くして絳侯は社稷を安んじて力を毫を抜くに効す能わず適材偏り
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