抱朴子外篇 / 博喻
抱樸子曰:捐荼茹蒿者,必無識甘之口;棄瓊拾礫者,必無甄珍之明。薄九成而悅北鄙者,吾知其不能格靈祇而儀翔鳳矣。舍英秀而杖常民者,吾知其不能敘彜倫而臻升平矣。
新字:抱樸子曰:捐荼茹蒿者,必無識甘之口;棄瓊拾礫者,必無甄珍之明。薄九成而悦北鄙者,吾知其不能格霊祇而儀翔鳳矣。舎英秀而杖常民者,吾知其不能敘彜倫而臻升平矣。
書き下し
抱朴子曰く、荼を捐てて蒿を茹らう者は、必ず甘きを識る口無く、瓊を棄てて礫を拾う者は、必ず珍を甄す明無し。九成を薄んじて北鄙を悦ぶ者は、吾其の霊祇に格り鳳を儀翔せしむる能わざるを知る。英秀を舎てて常民を杖む者は、吾其の彜倫を敘べて升平に臻る能わざるを知る。
現代語訳
抱朴子は言う。荼(苦菜)を捨てて蒿を食べる者は、きっと甘みを知る舌がなく、玉を棄てて小石を拾う者は、きっと珍宝を見分ける目がない。九成の雅楽を軽んじて北の田舎の調べを喜ぶ者は、神々に通じて鳳を舞わせることができないと、私は知っている。優れた人材を捨てて並の人々に頼る者は、人の道を整えて太平に至ることができないと、私は知っている。
解説
選ぶ目がないことを、選んだ結果で見抜く段です。「瓊を棄てて礫を拾う者は、必ず珍を甄す明無し」。玉を捨てて小石を拾う人は、鑑識眼がないのです。雅楽を軽んじて俗曲を喜ぶ者に神は動かせず、優れた人を退けて凡庸な者に頼る者に太平は来ません。人事で誰を重用したかは、決めた人の目の確かさを映します。おもねる人、扱いやすい人ばかりを側に置いていないか。選んだ顔ぶれは、そのまま経営者自身の評価として周囲に読まれている、という一段です。
この章句が説くこと
瓊を棄てて礫を拾う者珍を甄す明無し英秀を舎てて常民を杖む者鑑識眼登用
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