抱朴子外篇 / 博喻
抱樸子曰:用得其長,則才無或棄;偏詰其短,則觸物無可。故輕羅霧縠,治服之麗也,而不可以禦流鏑;沈閭巨闕,斷斬之良也,而不可以挑腳刺。
新字:抱樸子曰:用得其長,則才無或棄;偏詰其短,則触物無可。故軽羅霧縠,治服之麗也,而不可以禦流鏑;沈閭巨闕,断斬之良也,而不可以挑脚刺。
書き下し
抱朴子曰く、用いて其の長を得れば、則ち才に或いは棄てらるる無く、偏えに其の短を詰むれば、則ち物に触れて可なる無し。故に軽羅・霧縠は、治服の麗なるも、以て流鏑を禦ぐ可からず、沈閭・巨闕は、断斬の良なるも、以て脚の刺を挑る可からず。
現代語訳
抱朴子は言う。用いてその長所を得るなら、才能で捨てられるものはなく、もっぱら短所をとがめるなら、何に触れても良しとされるものがなくなる。だから薄絹や霧のような縠は、衣服として美しくても、飛んでくる矢を防ぐことはできず、沈閭や巨闕の名剣は、断ち斬るのに優れていても、足のとげをほじくることはできない。
解説
適材適所の定番の段です。「用いて其の長を得れば、則ち才に或いは棄てらるる無し」。薄絹は美しい衣でも飛んでくる矢は防げず、名剣は切るのに優れても足のとげ抜きには使えません。短所を詰めれば、どんな人も使い道がなくなります。短所探しの評価は、全員を不合格にする力があるのです。配置を考える側が先にすべきは、欠点の一覧ではなく、その人が何に向いているかの見立てです。向かない仕事を与えて「使えない」と断じていないかを、まず自分の配置で疑いたくなります。
この章句が説くこと
用いて其の長を得れば偏えに其の短を詰むれば沈閭・巨闕は適材長所
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