抱朴子外篇 / 博喻
抱樸子曰:娥英任姒,不以蠶織為首稱,湯武漢高,不以細行招近譽。故澄視於三辰者,不遑紆鑒於井谷;清聽於韶濩者,豈暇垂耳於桑間。
新字:抱樸子曰:娥英任姒,不以蠶織為首称,湯武漢高,不以細行招近誉。故澄視於三辰者,不遑紆鑒於井谷;清聴於韶濩者,豈暇垂耳於桑間。
書き下し
抱朴子曰く、娥英・任姒は、蠶織を以て首稱と為さず、湯・武・漢高は、細行を以て近譽を招かず。故に三辰を澄視する者は、井谷に紆鑒するに遑あらず、韶濩を清聴する者は、豈に桑間に耳を垂るるに暇あらんや。
現代語訳
抱朴子は言う。娥皇・女英や太任・太姒は、養蚕や機織りの腕を第一の称賛とはしなかった。湯王・武王・漢の高祖は、細かな行いで目先の名誉を招こうとはしなかった。だから日月星をじっと見つめる者は、井戸や谷に映る影をのぞき込む暇がなく、韶や濩の雅楽に聞き入る者が、桑間の俗な調べに耳を傾ける余裕などあるだろうか。
解説
大きな人物は大きなもので評価される、という対句の段です。「細行を以て近譽を招かず」とあるように、湯王や武王は小さな行いで目先の評判を取りにいきませんでした。後半の比喩は視線の置き場所の話で、星を見る者は井戸の水面をのぞかず、雅楽を聴く者は桑間の俗曲に耳を貸しません。組織でも、中長期の旗を見ている人は、日々の細かな点数稼ぎに時間を使いません。評価する側も、小さな減点や手際の良さだけで人を測っていないか、見る高さを点検したくなる箇所です。
この章句が説くこと
細行を以て近誉を招かず三辰を澄視する者桑間に耳を垂るる視座大局
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