抱朴子外篇 / 博喻
抱樸子曰:鋸牙之獸,雖低伏而見憚;揮斧之蟲,雖跧形而不威。故君子被褐,窮而不可輕;小人軒冕,達而不足重。
新字:抱樸子曰:鋸牙之獣,雖低伏而見憚;揮斧之虫,雖跧形而不威。故君子被褐,窮而不可軽;小人軒冕,達而不足重。
書き下し
抱朴子曰く、鋸牙の獣は、低伏すと雖も憚らる、斧を揮うの虫は、形を跧むると雖も威あらず。故に君子褐を被るも、窮して軽んず可からず、小人軒冕するも、達して重んずるに足らず。
現代語訳
抱朴子は言う。鋸のような牙を持つ獣は、低く伏していても恐れられ、斧を振るう虫は、身を縮めていても威がない。だから君子は粗末な衣を着て、困窮していても軽んじてはならず、小人は高官の車と冠を身に着けて、栄達していても重んじるに足りない。
解説
牙の鋭い獣は伏せていても恐れられ、斧を振るう虫は身を縮めても威がない。外見の凄みと本質は別だ、という例えです。そこから、君子は粗末な衣でも軽んじられず、小人は高位に就いても重んじるに足りない、と結びます。「窮して軽んず可からず」。身なりや肩書きの上下で、人への扱いを変えない態度が、採用面談や取引先の応対のたびに試されます。相手の立場でなく、振る舞いと実績で見る習慣が、後の判断の誤りを減らします。
この章句が説くこと
鋸牙の獣は窮して軽んず可からず小人軒冕するも達して重んずるに足らず君子肩書き
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