抱朴子外篇 / 博喻
抱樸子曰:出處有冰炭之殊,躁靜有飛沈之異。是以墨翟以重繭趼怡顏,箕叟以遺世得意。
新字:抱樸子曰:出処有冰炭之殊,躁静有飛沈之異。是以墨翟以重繭趼怡顔,箕叟以遺世得意。
書き下し
抱朴子曰く、出処に氷炭の殊なる有り、躁静に飛沈の異なる有り。是を以て墨翟は重繭趼ありて顔を怡ばせ、箕叟は世を遺れて意を得たり。
現代語訳
抱朴子は言う。世に出るか退くかには、氷と炭ほどの違いがあり、騒がしいか静かかには、飛ぶものと沈むものほどの違いがある。だから墨翟は足に幾重もの胼胝ができても顔をほころばせ、箕山の老人は世を忘れて満足を得た。
解説
出て働く生き方と、退いて静かに暮らす生き方は、氷と炭ほども違う、と述べる句です。墨翟は足の皮が幾重にも厚くなっても顔を和ませ、箕山の老人は世を忘れて満ち足りた。どちらも自分の道に適って楽しんでいる、という点で並べられています。ここに優劣はつけていません。管理職は自分の流儀を他者に当てはめがちですが、前に出て動くことに喜びを感じる人と、静かに深く掘ることで力を出す人は、どちらも組織に要る。人の向きを見て、役を割り振ることが肝心です。
この章句が説くこと
出処に氷炭の殊なる有り躁静に飛沈の異なる有り墨翟は重繭趼ありて顔を怡ばせ箕叟は世を遺れて意を得たり個性適性
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