抱朴子外篇 / 博喻
抱樸子曰:嶧陽孤桐,不能無弦而激哀響;大夏孤竹,不能莫吹而吐清聲。是官卑者稷離不能康庶績,權薄者伊周不能臻升平。
新字:抱樸子曰:嶧陽孤桐,不能無弦而激哀響;大夏孤竹,不能莫吹而吐清声。是官卑者稷離不能康庶績,権薄者伊周不能臻升平。
書き下し
抱朴子曰く、嶧陽の孤桐も、弦無くして哀響を激する能わず、大夏の孤竹も、吹く莫くして清声を吐く能わず。是れ官卑き者は稷・離も庶績を康んずる能わず、権薄き者は伊・周も升平に臻る能わざるなり。
現代語訳
抱朴子は言う。嶧陽の孤桐の名木も、弦が張られなければ哀しい響きを発することはできず、大夏の孤竹の名竹も、吹く人がいなければ清らかな音を出せない。同じように、官位の低い者は、稷や離のような賢人でも多くの政務を安んじることはできず、権限の薄い者は、伊尹や周公であっても太平に至ることはできない。
解説
名木の琴も弦がなければ鳴らず、名竹の笛も吹き手がなければ鳴らない。「官卑き者は稷・離も庶績を康んずる能わず」。才能があっても、位や権限がなければ事は成らない、という現実を述べます。抜擢の理由を説く論として読むのが自然です。管理職の現場では、責任だけ重く権限の薄い役を人に任せて、結果を求める失敗がよくあります。役目に見合う権限を一緒に渡しているか。任せ方の基本を確かめる句として使えます。
この章句が説くこと
弦無くして哀響を激する能わず官卑き者は稷・離も庶績を康んずる能わず権薄き者は伊・周も升平に臻る能わざるなり権限任せ方
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