抱朴子外篇 / 博喻
抱樸子曰:小鮮不解靈虬之遠規,鳧鹥不知鴻鵠之非匹。是以耦耕者笑陳勝之投耒,淺識者嗤孔明之抱膝。
新字:抱樸子曰:小鮮不解霊虬之遠規,鳧鹥不知鴻鵠之非匹。是以耦耕者笑陳勝之投耒,浅識者嗤孔明之抱膝。
書き下し
抱朴子曰く、小鮮は霊虬の遠規を解せず、鳧鷖は鴻鵠の匹に非ざるを知らず。是を以て耦耕する者は陳勝の耒を投ずるを笑い、浅識の者は孔明の膝を抱くを嗤う。
現代語訳
抱朴子は言う。小魚は霊妙な虬の遠大な志を理解せず、鴨やかもめは鴻鵠と並ぶものではないことを知らない。だから、ふたり並んで畑を耕す者は陳勝が鋤を投げ出したのを笑い、見識の浅い者は孔明が膝を抱えていたのを嗤う。
解説
小魚には龍の遠大な志が分からず、鴨には白鳥が自分と並ばないことが分からない。そこから、陳勝が鋤を投げ出したことを耕す仲間が笑い、孔明が膝を抱えていたのを浅い見識の者が嗤った、と続きます。大志の人は、まだ何も成していない時期には、身近な人に最も理解されにくい。若手が大きな構想を語ったとき、実績がないと笑う前に、その人の視座の高さを一度は聞いてみる。笑う側に回らない、というのがこの句の現場での使い方です。
この章句が説くこと
小鮮は霊虬の遠規を解せず鳧鷖は鴻鵠の匹に非ざるを知らず孔明の膝を抱くを嗤う大志視座
関連する章句
-
抱朴子外篇・博喻抱朴子曰く、器、瑚簋に非ざれば、必ず進むこと鋭くして退くこと速やかなり。量、伊呂に擬すれば、発すること晩きと雖も到ること早し。是を以て鷦鷯は翮に倦むも、猶お蓬杪を越えず、鴛雛は徐ろに起つも、顧眄して蒼昊に戻る。
-
抱朴子外篇・博喻抱朴子曰く、両つながら絆がれて項領ならば、則ち騏騄も蹇驢と同じく、林を失いて檻に居れば、則ち猿狖も獾貉と等しく、鋒を韜みて撃たざれば、則ち龍泉も鉛刀と均しく、才遠くして任近ければ、則ち英俊も庸王と肖比す。若し乃ち千里の跡を縶維の駿に求め、匠世の勲を劇碎の賢に責むれば、之を惑わずと謂うも、吾は信ぜざるなり。
-
抱朴子外篇・博喻抱朴子曰く、鸞鳳、粒を庭場に競えば、則ち褻れを雞鶩に受け、龍麟、芻豢に雑じり廁われば、則ち覿ゆるを六牲に見らる。是を以て商老は峻に棲みて邈世の操を播し、卞随は深きに赴きて遺物の声を全うす。
-
抱朴子外篇・博喻抱朴子曰く、鸗駮は険峻の端に危苦するも、口弗守の役を楽しまず、吉光は冰霜の野に飢渇するも、犠牲の鮑を願わず、孤竹は粒を絶つを以て鹿台の富に易えず、子廉は困匱を以て銅山の豊かさに貿えず。
-
抱朴子外篇・博喻抱朴子曰く、否泰は運に係り、窮達は以て士を論ずるに足らず、得失は適に在り、栄辱は以て才を量る可からず。時命は力を以て求む可からず、遭遇は智を以て違う可からず。故に尚父は、老婦の棄夫、韓信は、乞食の餓子、蕭公は、斗筲の吏、黥布は、刑黜の亡隸なり。其の龍姿を虺蜥の中に行い、鳳翅を斥鷃の群に巻くに当たりては、則ち彼は龍の後にして、其の倫と為すと謂う。
-
抱朴子外篇・博喻抱朴子曰く、娥英・任姒は、蠶織を以て首稱と為さず、湯・武・漢高は、細行を以て近譽を招かず。故に三辰を澄視する者は、井谷に紆鑒するに遑あらず、韶濩を清聴する者は、豈に桑間に耳を垂るるに暇あらんや。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る