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抱朴子外篇 / 刺驕

孟軻所謂愛而不敬,豕畜之也。而多有行諸,雲是自尊重之道。自尊重之道,乃在乎以貴下賤,卑以自牧,非此之謂也。乃衰薄之弊俗,膏肓之廢疾,安共為之,可悲者也。若夫偉人巨器,量逸韻遠,高蹈獨往,蕭然自得,身寄波流之間,神躋九玄之表,道足於內,遺物於外,冠摧履決,藍縷帶索,何肯與俗人競幹佐之便僻,修佞幸之媚容,效上林喋喋之嗇夫,為春蜩夏繩之聒耳!

新字:孟軻所謂愛而不敬,豕畜之也。而多有行諸,雲是自尊重之道。自尊重之道,乃在乎以貴下賤,卑以自牧,非此之謂也。乃衰薄之弊俗,膏肓之廃疾,安共為之,可悲者也。若夫偉人巨器,量逸韻遠,高蹈独往,蕭然自得,身寄波流之間,神躋九玄之表,道足於内,遺物於外,冠摧履決,藍縷帯索,何肯与俗人競幹佐之便僻,修佞幸之媚容,効上林喋喋之嗇夫,為春蜩夏縄之聒耳!

書き下し

孟軻の所謂愛して敬せざるは、之を豕畜するなり。而るに多く之を行う有りて、是れ自ら尊重するの道と雲う。自ら尊重するの道は、乃ち貴を以て賤に下り、卑しくして以て自ら牧うに在り。此の謂に非ざるなり。乃ち衰薄の弊俗、膏肓の廃疾なり。安んぞ共に之を為さん。悲しむ可き者なり。夫の偉人巨器の若きは、量逸く韻遠く、高蹈独往し、蕭然として自得し、身は波流の間に寄せ、神は九玄の表に躋り、道は内に足り、物を外に遺る。冠摧け履決け、藍縷帯索なるも、何ぞ肯えて俗人と幹佐の便僻を競い、佞幸の媚容を修め、上林の喋喋の嗇夫に効い、春蝉夏縄の聒耳を為さんや。

現代語訳

孟子のいわゆる、愛しても敬わないのは、豚として飼うことである、という言葉がある。ところが多くの者がこれを行い、それが自らを尊重する道だと言う。自らを尊重する道は、貴い身分でありながら賤しい者にへりくだり、卑しい立場に身を置いて自らを養うことにある。そういう意味ではない。これは衰え薄れた悪い風俗、膏肓に入った治らぬ病である。どうして共にこれを行えようか。悲しむべきことである。あの偉人や大きな器の人は、度量が広く韻致が遠く、高く踏み出して独り行き、さっぱりと自得して、身は波の流れの間に寄せていても、精神は九玄の外に登り、道は内に満ち足り、物を外に遺す。冠は壊れ履き物は破れ、ぼろの衣に縄の帯をしていても、どうして俗人と取り入りの巧みさを競い、おべっか使いの媚びた顔つきを磨き、上林苑の口数の多い役人に倣い、春の蝉や夏の蚊のようにやかましくするだろうか。

解説

孟子の「愛して敬せざるは之を豕畜するなり」を引き、敬意なき愛情を、豚を飼うような扱いと見ます。そして真の自尊とは、貴い者が賤しい者にへりくだることだと、尊重の意味を逆転させます。後段では、偉人は冠が壊れ履き物が破れていても、取り入りの巧みさや媚びの顔つきを競わない、とも述べます。見た目の粗さと、中身の充実は別物です。管理職の自尊心は、威張ることでなく、部下に敬意を示すことで測られます。愛情や面倒見のよさが、敬意を伴っているかを自分で確かめる、よい出発点になる一節です。

この章句が説くこと

愛して敬せざるは之を豕畜するなり貴を以て賤に下り卑しくして以て自ら牧う道は内に足り尊重

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