抱朴子外篇 / 刺驕
求之以貌,責之以妍,俗人徒睹其外形之粗簡,不能察其精神之淵邈,務在皮膚,不料心誌,雖懷英抱異,絕倫邁世,事動可以悟舉世之術,言發足以解古今之惑,含章括囊,非法不談,而茅蓬不能動萬鈞之鏗鏘,侏儒不能看重仞之弘麗,因而蚩之,謂為凡憒。夫非漢濱之人,不能料明珠於泥淪之蟲奉;非泣血之民,不能識夜光於重崖之裏。蟲焦螟之屯蚊眉之中,而笑彌天之大鵬;寸鮒遊牛跡之水,不貴橫海之巨鱗。故道業不足以相涉,聰明不足以相逮。理自不合,無所多怪。所以疾之而不能默者,願夫在位君子,無以貌取人,勉勖謙損,以永天秩耳。
新字:求之以貌,責之以妍,俗人徒睹其外形之粗簡,不能察其精神之淵邈,務在皮膚,不料心誌,雖懐英抱異,絶倫邁世,事動可以悟舉世之術,言発足以解古今之惑,含章括嚢,非法不談,而茅蓬不能動万鈞之鏗鏘,侏儒不能看重仞之弘麗,因而蚩之,謂為凡憒。夫非漢浜之人,不能料明珠於泥淪之虫奉;非泣血之民,不能識夜光於重崖之裏。虫焦螟之屯蚊眉之中,而笑弥天之大鵬;寸鮒遊牛跡之水,不貴横海之巨鱗。故道業不足以相渉,聰明不足以相逮。理自不合,無所多怪。所以疾之而不能黙者,願夫在位君子,無以貌取人,勉勖謙損,以永天秩耳。
書き下し
之を求むるに貌を以てし、之を責むるに妍を以てす。俗人は徒だ其の外形の粗簡なるを睹て、其の精神の淵邈なるを察する能わず。務めは皮膚に在りて、心志を料らず。英を懐き異を抱き、倫を絶ち世に邁ると雖も、事動けば以て挙世の術を悟る可く、言発すれば以て古今の惑いを解くに足り、章を含み嚢を括り、法に非ざれば談ぜず。而るに茅蓬は万鈞の鏗鏘を動かす能わず、侏儒は重仞の弘麗を看る能わず。因りて之を蚩い、謂いて凡憒と為す。夫れ漢濱の人に非ざれば、明珠を泥淪の虫に料る能わず、泣血の民に非ざれば、夜光を重崖の裏に識る能わず。焦螟の蚊眉の中に屯して、弥天の大鵬を笑い、寸鮒の牛跡の水に遊びて、横海の巨鱗を貴ばず。故に道業は以て相い渉るに足らず、聡明は以て相い逮ぶに足らず。理自ずから合わず、多く怪しむ所無し。之を疾みて黙する能わざる所以は、願わくは夫れ在位の君子、貌を以て人を取る無く、謙損を勉勖して、以て天秩を永くせんことを。
現代語訳
人を求めるのに容貌で選び、人を責めるのに見目の美しさで責める。俗人はただ外形の粗さや簡素さを見るだけで、その精神の深さと遠大さを察することができない。努めるところは皮膚の表面にあり、心の志は推し量らない。たとえ優れた才を抱き、異能を持ち、抜きん出て世を超えていても、事が動けば世を挙げて通用する術を悟るに足り、言葉を発せば古今の迷いを解くに足り、文章を内に秘め口を閉ざして、法にかなわなければ語らない。それなのに、粗末な草は万鈞の鐘の響きを動かせず、侏儒は高い建物の壮麗さを見ることができない。だからこれを笑い、凡庸で愚かだと言う。漢水のほとりの人でなければ、泥の中の貝の中にある明珠を見積もれず、血の涙を流す民でなければ、重なる崖の中にある夜光の玉を見抜けない。焦螟(小さな虫)が蚊のまつ毛の中に集まって天をおおう大鵬を笑い、一寸ほどの鮒が牛の足跡の水たまりで遊んで海をまたぐ巨大な魚を貴ばない。だから、道や業は互いに及ばず、聡明さも追いつかない。理が自ずと合わないのは、怪しむことではない。それでも憤って黙っていられないのは、願わくは位にある君子たちが、容貌で人を取ることなく、謙虚に損ずることを励み、天から与えられた位を長く保ってほしいからである。
解説
この章句が説くこと
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