抱朴子外篇 / 疾謬
夫桀傾紂覆,周滅陳亡,鹹由無禮,況匹庶乎!蓋信不由中,則屢盟無益,意得神至,則形器可忘。君子之交也,以道義合,以誌契親,故淡而成焉。小人之接也,以勢利結,以狎慢密,故甘而敗焉。何必房集內宴,爾乃款誠,著妻妾飲會,然後分好昵哉!古人鑒淫敗之曲防,杜傾邪之端漸,可謂至矣。修之者為君子,背之者為罪人。然禁疏則上宮有穿窬之男,網漏則桑中有奔隨之女。縱而肆之,其猶烈猛火於雲夢,開積水乎萬仞,其可撲以帚彗,過以撮壤哉!然而俗習行慣,皆曰:此乃京城上國,公子王孫貴人所共為也。
新字:夫桀傾紂覆,周滅陳亡,鹹由無礼,況匹庶乎!蓋信不由中,則屡盟無益,意得神至,則形器可忘。君子之交也,以道義合,以誌契親,故淡而成焉。小人之接也,以勢利結,以狎慢密,故甘而敗焉。何必房集内宴,爾乃款誠,著妻妾飲会,然後分好昵哉!古人鑒淫敗之曲防,杜傾邪之端漸,可謂至矣。修之者為君子,背之者為罪人。然禁疏則上宮有穿窬之男,網漏則桑中有奔随之女。縦而肆之,其猶烈猛火於雲夢,開積水乎万仞,其可撲以帚彗,過以撮壤哉!然而俗習行慣,皆曰:此乃京城上国,公子王孫貴人所共為也。
書き下し
夫れ桀は傾き紂は覆え、周は滅び陳は亡ぶ。咸な礼無きに由る。況んや匹庶をや。蓋し信中に由らざれば、則ち屡々盟うも益無く、意得て神至れば、則ち形器を忘る可し。君子の交わりや、道義を以て合し、志を以て契り親しむ。故に淡くして成る。小人の接わりや、勢利を以て結び、狎慢を以て密なり。故に甘くして敗る。何ぞ必ずしも房集内宴して、爾して乃ち款誠し、妻妾を著けて飲会し、然る後に好みを分かち昵しまんや。古人は淫敗の曲防を鑒み、傾邪の端漸を杜ぐこと、至れりと謂う可し。之を修むる者は君子たり、之に背く者は罪人たり。然れども禁疏なれば則ち上宮に穿窬の男有り、網漏れば則ち桑中に奔随の女有り。縦いて之を肆にするは、其れ猶お猛火を雲夢に烈し、積水を万仞に開くがごとし。其れ撲つに帚彗を以てし、過ぐるに撮壌を以てす可けんや。然れども俗は習い行い慣れ、皆曰く、此れ乃ち京城の上国、公子王孫貴人の共に為す所なり、と。
現代語訳
夏の桀は傾き、殷の紂は覆り、周は滅び、陳は亡んだ。いずれも礼のなさによるものである。まして一般の民ではなおさらだ。思うに、信が心の内から出ていなければ、何度誓いを立てても益がなく、心が通じ精神が至れば、形式や器は忘れてよい。君子の交わりは、道義によって結び、志によって契り親しむ。だから淡くして成り立つ。小人の交わりは、権勢や利で結び、馴れ馴れしさで密になる。だから甘くして破れる。何も奥の部屋に集まって内輪の宴を開いてこそ誠意を示せるわけではなく、妻や妾を同席させて酒を飲んで初めて親しみを分かつわけでもない。古人が淫らな崩れの道を見極め、よこしまの端緒を絶ったことは、行き届いたものといえる。これを守る者は君子であり、背く者は罪人である。ところが禁がゆるむと上宮に盗みの男が現れ、網が破れると桑中に駆け落ちの女が現れる。放縦に任せるのは、猛火を雲夢の沢で燃え上がらせ、溜まった水を万仞の高さで切り開くようなものだ。箒で打ち、ひとつかみの土で防げるはずがない。それでも世の習いは慣れ、皆こう言う。これは都の上国で、公子王孫や貴人たちが共にしていることだ、と。
解説
この章句が説くこと
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