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抱朴子外篇 / 名實

「其所業尚,可聞而不可盡也;其所執守,可見而不可論也。故疾之者,齊聲而側目;愛之者,寡弱而無益。亦猶撮壤不能填決河,升水不能殄原火。於是鼖鼓戢雷霆之音,鞉鞞恣喋鼛之響。芳蕙芟夷,臭鮑佩禦。玄鬯傾棄而不羞,醨酪專灌於圓丘。汗血驅放而垂耳,跛蹇馳騁於鑾軒。此古人之所以懷沙負石,赴流魚葬,而不堪與之同世也。已矣!悲夫!

新字:「其所業尚,可聞而不可尽也;其所執守,可見而不可論也。故疾之者,斉声而側目;愛之者,寡弱而無益。亦猶撮壤不能填決河,升水不能殄原火。於是鼖鼓戢雷霆之音,鞉鞞恣喋鼛之響。芳蕙芟夷,臭鮑佩禦。玄鬯傾棄而不羞,醨酪専灌於円丘。汗血駆放而垂耳,跛蹇馳騁於鑾軒。此古人之所以懐沙負石,赴流魚葬,而不堪与之同世也。已矣!悲夫!

書き下し

「其の業尚する所は、聞く可くして尽くす可からず。其の執守する所は、見る可くして論ず可からず。故に之を疾む者は、声を斉しくして目を側ぐ。之を愛する者は、寡弱にして益無し。亦た猶お撮壌の決河を填むる能わず、升水の原火を殄す能わざるがごとし。是に於て鼖鼓は雷霆の音を戢め、鞉鞞は喋鼛の響きを恣にす。芳蕙は芟夷せられ、臭鮑は佩禦せらる。玄鬯は傾け棄てて羞じず、醨酪は専ら円丘に灌ぐ。汗血は駆り放たれて耳を垂れ、跛蹇は鑾軒に馳騁す。此れ古人の沙を懐き石を負い、流れに赴き魚に葬られて、之と世を同じくするに堪えざる所以なり。已んぬるかな、悲しいかな。

現代語訳

「その事業として尚ぶところは、聞くことはできても聞き尽くすことはできない。その堅く守るところは、見ることはできても論じ尽くすことはできない。だから彼を憎む者は、声をそろえて横目で睨む。彼を愛する者は、少なく弱く、益にならない。ちょうど一握りの土が決壊した河を埋められず、一升の水が野の火を消せないようなものである。こうして大鼓は雷のような音を収め、小さな鼓が騒がしい響きをほしいままにする。かぐわしい蕙草は刈られ、臭い干し魚が帯に付けられる。祭祀に使う黒い酒は注ぎ捨てても恥じず、薄い酒や乳が専ら円丘の祭壇に注がれる。汗血の名馬は放たれて耳を垂れ、足の悪い馬が天子の鑾車を駆る。これが、古人が石を抱いて砂を懐き、流れに身を投じて魚の腹に葬られ、このような世と共に生きるに堪えられなかった理由である。ああ、もうだめだ。悲しいことだ。

解説

大賢が孤立する構図を、擬音のように鮮やかな比喩で描きます。「之を疾む者は、声を斉しくして目を側ぐ。之を愛する者は、寡弱にして益無し」。憎む者は多数で声が揃い、愛する者は少数で力がない。「鼖鼓は雷霆の音を戢め、鞉鞞は喋鼛の響きを恣にす」と、大太鼓が静まり小鼓がうるさく鳴る、逆立ちした世です。馬は名馬が放たれ、足の悪い馬が天子の車を駆る。古人が世に耐えず身を投じた、という結びは悲痛で、ここでは嘆きの記録として読むのが妥当です。声の大きさと質の逆転を警戒する視点を与えます。

この章句が説くこと

之を疾む者は声を斉しくして目を側ぐ之を愛する者は寡弱にして益無し鼖鼓は雷霆の音を戢め跛蹇は鑾軒に馳騁す

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