抱朴子外篇 / 擢才
孫臏思騁其秘略,而司馬刖之;韓非願建治績,而李斯殺之;賈誼慷慨,懷經國之術,而武夫排之;子政忠良,有匡危之具,而恭顯陷之。和氏所以抱璞而泣血,禽息所以發憤而碎首也。夫玉石易別於賢愚,愛寶情篤於好士,以易別之寶,合篤好之物,猶獲罪截趾,歷世受誣。況乎難知之賢,非意所急,讒人畫蛇足於無形,奸臣畏忠貞之害己,體曲者忌繩墨之容,夜裸者憎明燭之來。是以高譽美行,抑而不揚,虛構之謗,先形生影。又無楚人號哭之薦,萬無一遇,固其宜矣。
新字:孫臏思騁其秘略,而司馬刖之;韓非願建治績,而李斯殺之;賈誼慷慨,懐経国之術,而武夫排之;子政忠良,有匡危之具,而恭顕陥之。和氏所以抱璞而泣血,禽息所以発憤而砕首也。夫玉石易別於賢愚,愛宝情篤於好士,以易別之宝,合篤好之物,猶獲罪截趾,歴世受誣。況乎難知之賢,非意所急,讒人画蛇足於無形,奸臣畏忠貞之害己,体曲者忌縄墨之容,夜裸者憎明燭之来。是以高誉美行,抑而不揚,虚構之謗,先形生影。又無楚人号哭之薦,万無一遇,固其宜矣。
書き下し
孫臏は其の秘略を騁せんと思えば、司馬は之を刖る。韓非は治績を建てんと願えば、李斯は之を殺す。賈誼は慷慨して、経国の術を懐くも、武夫は之を排す。子政は忠良にして、匡危の具有るも、恭・顕は之を陥る。和氏の璞を抱きて血を泣く所以、禽息の憤りを発して首を碎く所以なり。夫れ玉石は賢愚より別ち易く、宝を愛する情は士を好むより篤し。別ち易きの宝を以て、篤く好むの物に合わせしも、猶お罪を獲て趾を截られ、世を歴て誣いらる。況んや知り難きの賢は、意の急にする所に非ず。讒人は形無きに蛇足を画き、奸臣は忠貞の己を害するを畏る。体の曲がれる者は繩墨の容るるを忌み、夜に裸なる者は明燭の来たるを憎む。是を以て高誉美行は、抑えられて揚がらず、虚構の謗りは、形に先んじて影を生ず。又た楚人の号哭して薦むる無く、万に一遇も無きは、固より其の宜なり。
現代語訳
孫臏は秘めた策略を発揮しようと思ったが、同僚の龐涓(原文は「司馬」)は彼の足を斬った。韓非は政治の業績を立てようと願ったが、李斯は彼を殺した。賈誼は憤りに燃え、国を治める術を抱いていたが、武人たちは彼を排斥した。劉向は忠良で、危うさを正す才があったが、宦官の恭・顕が彼を陥れた。和氏が原石を抱いて血の涙を流した理由、禽息が憤りを発して頭を砕いた理由は、これである。玉と石は賢愚よりも見分けやすく、宝を愛する情は士を好む心より篤い。見分けやすい宝を、篤く好む対象に当てても、なお罪を得て足を切られ、幾世も誣いられた。ましてや見分けにくい賢人は、人が急ぎ求めるところではない。讒言する者は形のないところに蛇の足を描き、奸臣は忠貞の者が自分を害することを恐れる。体の曲がった者は墨縄を嫌い、夜に裸でいる者は明るい灯が来るのを憎む。だから高い誉れも美しい行いも、抑えられて揚がらず、でっち上げの誹りは形より先に影を生む。しかも楚人のように泣き叫んで推薦する人もなく、万に一も出会いがないのは、もとより当然である。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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史記 司馬穰苴列伝已にして大夫鮑氏・高・国の属之を害み、景公に譖る。景公、穰苴を退く。苴、疾を発して死す。田乞・田豹の徒、此れに由り高・国等を怨む。其の後、田常の簡公を殺すに及び、尽く高子・国子の族を滅ぼす。常の曾孫和に至り、因りて自立して斉の威王と為り、兵を用ゐ威を行ふに、大いに穰苴の法に放ひ、而して諸侯斉に朝す。
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史記 老子韓非列伝人或いは其の書を伝へて秦に至る。秦王、孤憤・五蠹の書を見て曰く、「嗟乎、寡人此の人を見、之と游ぶを得ば、死すとも恨みじ」と。李斯曰く、「此れ韓非の著す所の書なり」と。秦因りて急に韓を攻む。韓王、始め非を用ゐず、急なるに及び、乃ち非を遣り秦に使ひせしむ。秦王之を悦ぶも、未だ信用せず。李斯・姚賈之を害み、之を毀りて曰く、「韓非は韓の諸公子なり。今王、諸侯を并せんと欲するに、非は終に韓の為にして秦の為にせず、此れ人の情なり。今王用ゐずして久しく留めて之を帰すは、此れ自ら患ひを遺すなり。過法を以て之を誅するに如かず」と。秦王、以て然りと為し、吏に下して非を治む。李斯、人をして非に薬を遺らしめ、自殺せしむ。韓非、自ら陳べんと欲するも、見ゆるを得ず。秦王後に之を悔い、人をして之を赦さしむるに、非已に死せり。申子・韓子皆書を著し、後世に伝はり、学ぶ者多く有り。余独り韓子の説難を為りて自ら脱する能はざりしを悲しむのみ。
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『春秋左氏伝』成公十七年 晋の厲公、三郤を疑う十二月、盧降る。國勝をして難を晉に告げしめ、命を清に待たしむ。晉の厲公侈(おご)りて、外嬖多し。鄢陵より反(かへ)り、盡く群大夫を去りて其の左右を立てんと欲す。胥童、胥克の廢せらるるを以て、郤氏を怨み、而して厲公に嬖せらる。郤錡、夷陽五の田を奪ふ。五も亦た厲公に嬖せらる。郤犨、長魚矯と田を爭ひ、執へて之を梏(こく)し、其の父母妻子と轅(ながえ)を同一にす。既にして矯も亦た厲公に嬖せらる。欒書、郤至を怨む、其の己に從はずして楚師を敗りしを以てなり。之を廢せんと欲す。楚の公子茷をして公に告げしめて曰く、「此の戰ひや、郤至實に寡君を召けり。東師の未だ至らざると、軍帥の具はらざるとを以て、曰く、『此れ必ず敗れん。吾因りて孫周を奉じて以て君に事へん』と」と。公、欒書に告ぐ。書曰く、「其れ有らん。然らずんば、豈に其の死を之れ恤(うれ)へずして、敵の使を受けんや。君盍(なん)ぞ嘗みに諸を周に使はして之を察せざる」と。郤至、周に聘す。欒書、孫周をして之に見えしむ。公、之を覘(うかが)はしむるに信なり。遂に郤至を怨む。厲公田(かり)す。婦人と先づ殺して酒を飲み、後に大夫をして殺さしむ。郤至、豕を奉ず。寺人孟張、之を奪ふ。郤至、射て之を殺す。公曰く、
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史記 晋世家遂に与に戦ふ。癸巳、射て楚の共王の目に中て、楚の兵鄢陵に敗る。子反余兵を収め、拊循して復た戦はんと欲す。晋之を患ふ。共王子反を召す。其の侍者豎陽穀酒を進む。子反酔ひて、見ゆること能はず。王怒り、子反を譲む。子反死す。王遂に兵を引きて帰る。晋此に由りて諸侯に威あり、以て天下に令して覇を求めんと欲す。厲公外嬖の姫多し。帰りて、尽く群大夫を去りて諸姫の兄弟を立てんと欲す。寵姫の兄を胥童と曰ふ。嘗て郤至と怨み有り。及び欒書も又郤至の其の計を用ひずして遂に楚を敗りしを怨む。乃ち人をして間に楚に謝せしむ。楚来たりて厲公を詐りて曰く、「鄢陵の戦ひは、実に至楚を召し、乱を作さんと欲し、子周を内れて之を立てんとす。会々与国具はらず。是を以て事成らず」と。厲公欒書に告ぐ。欒書曰く、「其れ殆ど有らん。願はくは公試みに人をして周に之かしめて微かに之を考へしめよ」と。果たして郤至を周に使ひせしむ。欒書又公子周をして郤至に見えしむ。郤至売らるるを知らざるなり。厲公之を験みて、信に然りとし、遂に郤至を怨み、之を殺さんと欲す。八年、厲公猟し、姫と飲む。郤至豕を殺して奉進す。宦者之を奪ふ。郤至宦者を射殺す。公怒りて曰く、「季子予を欺く」と。将に三郤を誅せんとして、未だ発せず。郤鉤公を攻めんと欲して曰く、「我死すと雖も、公も亦た病まん」と。郤至曰く、「信は君に反かず、智は民を害せず、勇は乱を作さず。此の三つの者を失はば、誰か我に与せん。我死せんのみ」と。十二月壬午、公胥童をして兵八百人を以て三郤を襲攻して殺さしむ。胥童因りて以て欒書・中行偃を朝に劫かして曰く、「二子を殺さずんば、患必ず公に及ばん」と。公曰く、「一旦にして三卿を殺す。寡人益すに忍びず」と。対へて曰く、「人将に君に忍ばんとす」と。公聴かず。欒書等に謝するに郤氏の罪を誅するを以てし、「大夫位に復せ」と。二子頓首して曰く、「幸甚、幸甚」と。公胥童をして卿と為らしむ。
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国語・晋語六既に戦いて、王子発鉤(はっこう)を獲たり。欒書王子発鉤に謂いて曰く、「子君に告げて曰え、『郤至人をして王に戦いを勧めしむ、斉・魯の未だ至らざるに及べと。且つ夫れ戦うや、郤至微(な)かりせば王必ず免れざりしならん』と。吾子を帰さん」と。発鉤君に告ぐ。君欒書に告ぐ。欒書曰く、「臣固(もと)より之を聞く。郤至難を為さんと欲し、苦成叔をして斉・魯の師を緩めしめ、己は君に戦いを勧め、戦い敗れば、将に孫周(そんしゅう)を納れんとす。事成らず、故に楚王を免る。然れども戦いて擅(ほしいまま)に国君を捨て、其の問(おくりもの)を受く、亦た大罪ならずや。且つ今君若し之を周に使いせしめば、必ず孫周に見えん」と。君曰く、「諾」と。欒書人をして孫周に謂わしめて曰く、「郤至将に往かんとす、必ず之に見えよ」と。郤至周に聘す。公之を覘(うかが)わしむるに、孫周に見ゆ。是の故に胥之昧(しょしまい)と夷羊五(いようご)とをして郤至・苦成叔及び郤錡(げきき)を刺さしむ。郤錡郤至に謂いて曰く、「君我に道ならず。我吾が宗と吾が党とを以て夾(はさ)みて之を攻めんと欲す。死すと雖も必ず敗らん、君必ず危うからん、其れ可ならんか」と。郤至曰く、「不可なり。至之を聞く、武人は乱さず、智人は詐らず、仁人は党せず。夫れ君の富を利とし、富みて以て党を聚め、党を利として以て君を危うくせば、君の我を殺すや後(おそ)し。且つ衆何の罪かあらん。鈞(ひと)しく之れ死するなり、君の命を聴くに若かず」と。是の故に皆自殺す。既に三郤を刺し、欒書厲公を弑し、乃ち孫周を納れて之を立つ、実に悼公為り。
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史記 孝景本紀梁・楚の二王皆薨ず。後九月、馳道の樹を伐り、蘭池に殖う。七年冬、栗太子を廃して臨江王と為す。(一)十(二)[一]月晦、日之を食する有り。春、徒隷の陽陵を作る者を免ず。丞相青免ぜらる。二月乙巳、太尉条侯周亜夫を以て丞相と為す。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
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