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抱朴子外篇 / 擢才

夫以玉為石者,亦將以石為玉矣;以賢為愚者,亦將以愚為賢者矣。以石為玉,未有傷也;以愚為賢者,亡之診也。蓋診亡者雖存而必亡,猶脈死者雖生而必死也。可勿慎乎!於戲,悲夫!莫之思者也。昔仲尼上聖也,東受累於齊人,南見塞於子西。文種大賢也,初不齒於荊俗,末雍遊於鈞如。競年立功,不亦難乎?夫結綠玄黎,非陶猗不能市也;千鈞之重,非賁獲不能抱也。《白雪》之弦,非靈素不能徽也;邁倫之才,非明主不能用也。

新字:夫以玉為石者,亦将以石為玉矣;以賢為愚者,亦将以愚為賢者矣。以石為玉,未有傷也;以愚為賢者,亡之診也。蓋診亡者雖存而必亡,猶脈死者雖生而必死也。可勿慎乎!於戯,悲夫!莫之思者也。昔仲尼上聖也,東受累於斉人,南見塞於子西。文種大賢也,初不歯於荊俗,末雍遊於鈞如。競年立功,不亦難乎?夫結緑玄黎,非陶猗不能市也;千鈞之重,非賁獲不能抱也。《白雪》之弦,非霊素不能徽也;邁倫之才,非明主不能用也。

書き下し

夫れ玉を以て石と為す者は、亦た将に石を以て玉と為さんとす。賢を以て愚と為す者は、亦た将に愚を以て賢と為さんとす者なり。石を以て玉と為すは、未だ傷つくること有らず。愚を以て賢と為すは、亡の診なり。蓋し亡を診するは、存すと雖も必ず亡び、猶お脈死する者の生くと雖も必ず死するがごとし。慎まざる可けんや。於戯、悲しいかな、之を思う莫き者なり。昔、仲尼は上聖なり、東のかた累を斉人に受け、南のかた子西に塞がる。文種は大賢なり、初め荊の俗に歯せられず、末に鈞如に雍遊す。年を競いて功を立つるは、亦た難からずや。夫れ結緑・玄黎は、陶・猗に非ざれば市る能わず。千鈞の重きは、賁・獲に非ざれば抱く能わず。白雪の弦は、霊・素に非ざれば徽にする能わず。邁倫の才は、明主に非ざれば用うる能わず。

現代語訳

そもそも玉を石とする者は、石を玉とするようになる。賢を愚とする者は、愚を賢とするようになる者でもある。石を玉と取り違えるのは、まだ傷にならない。愚を賢と取り違えるのは、滅びの診断である。滅びの兆しがある者は、いまは生きていても必ず滅び、脈の死んだ者が生きていても必ず死ぬのと同じだ。慎まずにいられようか。ああ、悲しいことに、これを思う者がいない。昔、孔子は最上の聖人であったが、東では斉の人から禍いを受け、南では子西に道を塞がれた。文種は大賢であったが、最初は楚の習俗に数えられず、のちに越に安らかに仕えた。年のうちに功を立てるのは、難しいではないか。そもそも結緑や玄黎の宝玉は、陶朱公や猗頓でなければ買えない。千鈞の重さは、孟賁や烏獲でなければ抱えられない。白雪の曲の弦は、霊や素のような名手でなければ調えられない。群を抜く才は、明君でなければ用いられない。

解説

鑑識の誤りには、害の大小に差がある、という指摘が鋭い段です。「石を以て玉と為すは、未だ傷つくること有らず。愚を以て賢と為すは、亡の診なり」。石を玉と取り違えても損は小さいが、愚者を賢者と取り違えれば滅びの兆候になる、と言います。続いて孔子や文種ですら世に容れられなかった例を挙げ、最後は「邁倫の才は、明主に非ざれば用うる能わず」で、抜きんでた才は明君にしか用いられないと結びます。抜擢の失敗は、見落とすより、愚を賢と取り違えるほうが組織を傷める、という点を意識させる文脈です。

この章句が説くこと

愚を以て賢と為すは賢を以て愚と為す者は脈死する者の生くと雖も必ず死する抜擢誤認明君

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