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抱朴子外篇 / 交際

「然實未易知,勢利生去就,積毀壞刎頸之契,漸漬釋膠漆之堅。於是有忘素情之惆嘆,或睚眥而不思,遂令元伯巨卿之好,獨著於昔;張耳陳余之變,屢構於今。推往尋來,良可嘆也。夫梧禽不與鴟梟同枝,麟虞不與豺狼連群,清源不與濁潦混流,仁明不與兇暗同處。何者?漸染積而移直道,暴迫則生害也。」或人曰:「敢問全交之道可得聞乎?」

新字:「然実未易知,勢利生去就,積毀壊刎頸之契,漸漬釈膠漆之堅。於是有忘素情之惆嘆,或睚眥而不思,遂令元伯巨卿之好,独著於昔;張耳陳余之変,屡構於今。推往尋来,良可嘆也。夫梧禽不与鴟梟同枝,麟虞不与豺狼連群,清源不与濁潦混流,仁明不与兇暗同処。何者?漸染積而移直道,暴迫則生害也。」或人曰:「敢問全交之道可得聞乎?」

書き下し

「然れども実に未だ知り易からず。勢利は去就を生じ、積毀は刎頸の契りを壊し、漸漬は膠漆の堅きを釈く。是に於て素情を忘るるの惆嘆有り、或いは睚眥して思わず、遂に元伯・巨卿の好をして、独り昔に著れしめ、張耳・陳余の変を、屢しば今に構えしむ。往を推し来を尋ぬれば、良に嘆く可きなり。夫れ梧の禽は鴟梟と枝を同じくせず、麟虞は豺狼と群を連ねず、清源は濁潦と流れを混ぜず、仁明は兇暗と処を同じくせず。何となれば、漸染積もりて直道を移し、暴迫すれば則ち害を生ずればなり」と。或る人曰く、「敢えて問う、全交の道は得て聞く可きか」と。

現代語訳

「しかし実際には、人は容易には分からない。権勢や利益が去就を生み、積み重なる誹謗が刎頸の契りを壊し、じわじわと染み入るものが膠や漆のような堅い結びつきを解いてしまう。そこで、昔の真情を忘れて嘆く者が現れ、あるいは睨み合って顧みなくなり、ついに范式と張劭の友情は昔にだけ著れ、張耳と陳余の仲違いは今も繰り返し起きる。過去を推し量り将来を尋ねれば、まことに嘆かわしい。梧桐に止まる鳳は鴟梟と同じ枝に止まらず、麒麟や騶虞は豺狼と群れを組まず、清らかな源は濁った流れと混ざらず、仁明の人は兇暗の者と同じ場所にいない。なぜか。じわじわと染まることが積もると直き道を変えてしまい、荒々しく迫られれば害が生じるからである」と。ある人が言った。「恐れながらお尋ねします。交わりを全うする道は、お聞かせいただけますか」と。

解説

友情が壊れる仕組みを、具体的に示した段です。「勢利は去就を生じ、積毀は刎頸の契りを壊し、漸漬は膠漆の堅きを釈く」。利害、誹謗の積み重ね、じわじわ染みる影響の三つが、固い結びつきを解いていきます。しかも後半は「梧の禽は鴟梟と枝を同じくせず」と、同席する相手の質を問います。染まる害は、強い衝突より気づきにくい点が怖い、という観察です。チームでも、事件ではなく小さな不満の蓄積で人は離れます。関係が壊れる前の兆候を、日常の会話の温度から拾えるかが課題になります。

この章句が説くこと

勢利は去就を生じ積毀は刎頸の契りを壊し漸染積もりて直道を移し全交の道離反讒言

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