抱朴子外篇 / 交際
「毀方瓦合,違情偶俗,人之愛力,甚所不堪,而欲好日新,安可得哉!知其如此而不辯改之,可不謂之暗於當世,拙於用大乎?夫交而不卒,合而又離,則兩受不弘之名,俱失克終之美。夫厚則親愛生焉,薄則嫌隙結焉,自然之理也,可不詳擇乎!為可臨觴者拊背,執手須臾,欲多其數而必其全,吾所懼也。」或曰:「然則都可以無交乎?」
新字:「毀方瓦合,違情偶俗,人之愛力,甚所不堪,而欲好日新,安可得哉!知其如此而不弁改之,可不謂之暗於当世,拙於用大乎?夫交而不卒,合而又離,則両受不弘之名,倶失克終之美。夫厚則親愛生焉,薄則嫌隙結焉,自然之理也,可不詳択乎!為可臨觴者拊背,執手須臾,欲多其数而必其全,吾所懼也。」或曰:「然則都可以無交乎?」
書き下し
「方を毀ち瓦のごとく合い、情に違い俗に偶うは、人の愛力、甚だ堪えざる所にして、好の日びに新たなるを欲するも、安くんぞ得べけんや。其の此くの如きを知りて之を弁改せざるは、当世に暗く、大を用うるに拙なりと謂わざるべけんや。夫れ交わりて卒えず、合いて又た離るれば、則ち両つながら弘からざるの名を受け、倶に克く終うるの美を失う。夫れ厚ければ則ち親愛生じ、薄ければ則ち嫌隙結ばるるは、自然の理なり。詳らかに択ばざる可けんや。觴に臨む可き者の背を拊ち、手を執ること須臾にして、其の数を多くして必ず其の全からんことを欲するは、吾の懼るる所なり」と。或ひと曰く、「然らば則ち都て以て交わり無かる可きか」と。
現代語訳
「角を削って瓦のように合わせ、本心に背いて俗に合わせるのは、人の愛力にとって最も堪えがたいことで、そのうえで交わりが日ごとに新しくあることを望んでも、どうしてかなえられよう。これを知っていながら改めようとしないのは、当世に暗く、大きな用い方に拙いと言わざるを得ないだろうか(と責められるかもしれない)。しかし、交わりを最後まで全うできず、合ってはまた離れるなら、双方ともに度量が広くないという名を受け、ともに終わりを全うする美を失う。厚ければ親しみが生まれ、薄ければ嫌悪やすき間が結ばれるのは、自然の理である。念入りに選ばずにいられようか。酒盃の席で背をたたき、手を取ったのも束の間で、数を多くして、しかもすべて全うさせようと望むのは、私の懼れるところである」と。ある人が言った。「それでは、まったく交わりを持たなくてよいのでしょうか」と。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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易経・鼎卦鼎趾を顛(さかしま)にすとは、未だ悖(もと)らざるなり。否(わる)きを出すに利ありとは、以て貴きに従ふなり。鼎に実有りとは、之(ゆ)く所を慎むなり。我が仇疾有りとは、終に尤无きなり。鼎の耳革まるとは、其の義を失ふなり。公の餗(そく)を覆すとは、信に如何せん。鼎黄耳ありとは、中以て実と為すなり。玉鉉上に在るは、剛柔節あるなり。
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『講孟余話』離婁上 第二十二章岡白駒の孟子解に、「人の其の言を軽易にする者は、身に之れが責を任ずること無きを以てのみ。若し身に其の責を任ずれば、則ち其の之れを為すことの難きを知る、豈に敢へて軽易に苟も言はんや」と。此の説先づ吾が意を獲たり。「責無きのみ」、此の章註已に明なり。但し「責無きのみ」の一句に於て余窃かに一説あり。責は言責の責と同じ、責任なり。責無しとは、自ら責とし自ら任とする所なきなり。凡そ人の言語を容易にするは、自ら責任とする所なきを以てなり。苟も実行を以て自ら責任とするならば、言語も容易にはなるまじきなり。「君子は言に訥にして行ひに敏ならんことを欲す」と云ふと意相似たり。
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『宋名臣言行録』前集巻七・范仲淹仁宗の時、西戎方に熾んなり。韓公、經略招討副使と為り、五路より兵を進めて以て平夏を襲わんと欲す。時に公、延州を守り、堅く持して不可とす。時に尹洙、經略判官為り。一日、命を將いて慶州に至り、公に約するに兵を進むるを以てす。公曰く、我が師新たに敗る。士卒、氣沮む。但だ當に自ら謹み守りて以て其の變を觀るべし。豈に輕兵深く入る可けんや。今を以て之を觀るに、但だ敗形を見て未だ勝勢を見ずと。洙歎じて曰く、公、此に于いて諱公に及ばず。韓公嘗て云う、大凡そ兵を用うるは勝敗を度外に置くと。今、公は乃ち區區として過慎す。此れ及ばざる所以なりと。公曰く、大軍一たび動けば萬命懸かる所なり。而るに乃ち度外に置く。仲淹、其の可なるを見ずと。洙の議合わず、遽かに還る。魏公、遂に兵を舉げて界に入る。好水川に次る。元昊、伏を設く。全師陷沒す。大將任福、之に死す。魏公遽かに還る。半途に至りて亡ぶ者の父兄妻子數千人、馬首に號す。皆な故衣・紙錢を持して魂を招きて哭す。聲、天地を震わす。魏公、悲憤に勝えず。泣を掩いて馬を駐め、前む能わざる者數刻。公、聞きて歎じて曰く、是の時に當たり、勝敗を度外に置き難きなりと。
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『墨子』貴義子墨子曰く、今、士の身を用うるは、商人の一布を用うるの慎しみに若かざるなり。商人、一布を用うるに、敢えて茍くも繼ぎて讎らず、必ず良き者を擇ぶ。今、士の身を用うるは則ち然らず。意の欲する所は則ち之を為す。厚き者は刑罰に入り、薄き者は毁醜を被る。則ち士の身を用うるは、商人の一布を用うるの慎しみに若かざるなり。
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論語・述而篇子の慎む所は、斉・戦・疾なり。
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論語・為政篇子張禄を干(もと)むを学ぶ。子曰く、多く聞いて疑わしきを闕(か)き、其の余を慎言すれば、則ち尤(とがめ)寡なし。多く見て殆(あやう)きを闕き、其の余を慎行すれば、則ち悔寡なし。言に尤寡なく、行に悔寡なければ、禄は其の中に在り。
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