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抱朴子外篇 / 交際

抱朴子答曰:「何其然哉!夫畏水者何必廢舟楫,忌傷者何必棄父斤?交之為道,其來尚矣。天地不交則不泰,上下不交即乖誌。夫不泰則二氣隔並矣,誌乖則天下無國矣。然始之甚易,終之竟難。患乎所結非其人,敗於爭小以忘大也。《易》美多蘭,《詩》詠百朋,雖有兄弟,不如友生。切思三益,大聖所嘉,門人所以增親,惡言所以不至;管仲所以免誅戮而立霸功,子元所以去亭長而驅朱軒者,交之力也。

新字:抱朴子答曰:「何其然哉!夫畏水者何必廃舟楫,忌傷者何必棄父斤?交之為道,其来尚矣。天地不交則不泰,上下不交即乖誌。夫不泰則二気隔並矣,誌乖則天下無国矣。然始之甚易,終之竟難。患乎所結非其人,敗於争小以忘大也。《易》美多蘭,《詩》詠百朋,雖有兄弟,不如友生。切思三益,大聖所嘉,門人所以增親,悪言所以不至;管仲所以免誅戮而立覇功,子元所以去亭長而駆朱軒者,交之力也。

書き下し

抱朴子答えて曰く、「何ぞ其れ然らんや。夫れ水を畏るる者、何ぞ必ずしも舟楫を廃せん。傷を忌む者、何ぞ必ずしも父の斤を棄てん。交わりの道為る、其の来たること尚し。天地交わらざれば則ち泰ならず、上下交わらざれば即ち志乖く。夫れ泰ならざれば則ち二気隔並し、志乖けば則ち天下に国無し。然れども始めの甚だ易く、終わりの竟に難し。患いは結ぶ所の其の人に非ざるに在り、敗るるは小を争いて大を忘るるに在り。『易』は蘭多きを美め、『詩』は百朋を詠じ、兄弟有りと雖も、友生に如かず。切に三益を思うは、大聖の嘉する所、門人の親しみを増す所以、悪言の至らざる所以なり。管仲の誅戮を免れて覇功を立てたる所以、子元の亭長を去りて朱軒を駆る所以は、交わりの力なり。

現代語訳

抱朴子は答えて言った。「どうしてそう言えようか。水を恐れる者が、どうして舟や櫂を捨てるだろうか。傷を忌む者が、どうして父の斧を棄てるだろうか。交わりの道は、その由来が古い。天地が交わらなければ泰平でなく、上下が交わらなければ志が食い違う。泰平でなければ陰陽の二気が隔たり、志が食い違えば天下に国はなくなる。ただし、始めはまことに易しく、終わりはとうとう難しい。患いは結ぶ相手が適当な人でないところにあり、敗れるのは小さなことを争って大きなことを忘れるところにある。『易』は蘭の香りのような友の多さを褒め、『詩』は百朋を詠み、兄弟があっても友にはかなわないとする。切に三益を思うことは、大聖が善しとするところで、門人の親しみを増す理由であり、悪言が耳に届かない理由でもある。管仲が誅殺を免れて覇者の功を立てた理由、子元が亭長の身を離れて朱塗りの車を駆る身になった理由は、交わりの力である。

解説

全面否定ではなく、ここで交際の価値が語られます。「水を畏るる者、何ぞ必ずしも舟楫を廃せん」。溺れるのが怖いからといって舟まで捨てはしない、という例えです。天地が交わって泰、上下が交わらなければ志が食い違う、と大きな話にも広げています。難所は「始めの甚だ易く、終わりの竟に難し」。患いは相手を誤ることと、小さな争いで大局を忘れることです。失敗を恐れて関係を断つのではなく、選び方と守り方で解く。組織の風通しにも通じる、前向きな読み方です。

この章句が説くこと

水を畏るる者舟楫を廃せん始めの甚だ易く終わりの竟に難し交友泰

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