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抱朴子外篇 / 交際

「夫操尚不同,猶金沈羽浮也。誌好之乖次,猶火升而水降也。茍不可同,雖造化之靈,大塊之匠,不可使同也,何可強乎!余所稟訥馬矣,加之以天挺篤懶,諸戲弄之事,彈棋博弈,皆所惡見;及飛輕走迅,遊獵傲覽,鹹所不為,殊不喜嘲褻。凡此數者,皆時世所好,莫不耽之,而余悉闕焉,故親交所以尤遼也。加以挾直,好吐忠藎,藥石所集,甘心者鮮。又欲勉之以學問,諫之以馳競,止其樗蒲,節其沈湎,此又常人所不能悅也。

新字:「夫操尚不同,猶金沈羽浮也。誌好之乖次,猶火升而水降也。苟不可同,雖造化之霊,大塊之匠,不可使同也,何可強乎!余所稟訥馬矣,加之以天挺篤懶,諸戯弄之事,弾棋博弈,皆所悪見;及飛軽走迅,遊猟傲覧,鹹所不為,殊不喜嘲褻。凡此数者,皆時世所好,莫不耽之,而余悉闕焉,故親交所以尤遼也。加以挟直,好吐忠藎,薬石所集,甘心者鮮。又欲勉之以学問,諫之以馳競,止其樗蒲,節其沈湎,此又常人所不能悦也。

書き下し

「夫れ操尚の同じからざる、猶お金沈み羽浮くがごときなり。志好の乖次、猶お火升り水降るがごときなり。苟くも同じくす可からざれば、造化の霊、大塊の匠と雖も、同じくせしむ可からず、何ぞ強う可けんや。余の稟くる所は訥たり。之に加うるに天挺の篤懶を以てし、諸もろの戯弄の事、弾棋・博弈は、皆な見るを悪む所。飛輪走迅、遊猟傲覧に及びては、咸な為さざる所にして、殊に嘲褻を喜ばず。凡そ此の数者は、皆な時世の好む所にして、之に耽らざる莫し。而るに余は悉く闕く。故に親交の尤も遼きなり。加うるに直を挟み、好んで忠藎を吐き、薬石の集まる所、甘心する者鮮し。又た之を勉ますに学問を以てし、之を諫むるに馳競を以てし、其の樗蒲を止め、其の沈湎を節せんと欲す。此れも又た常人の悦ぶ能わざる所なり。

現代語訳

「操りと好みが同じでないのは、金が沈み羽が浮くようなものである。志と嗜好が食い違うのは、火が昇り水が降るようなものだ。もとより同じにできないなら、造化の霊や天地の匠でも同じにはできない。どうして無理強いできようか。私の天性は口べたである。加えて生まれつき怠けがちで、さまざまな遊び事、弾棋や博打や囲碁は、見るのも嫌いだ。軽い車で速く走ること、狩猟や気ままな見物は、すべてしないし、とくに嘲りやなれなれしい戯れを喜ばない。これらはどれも当世の好むところで、耽らない者はない。ところが私はそのすべてを欠いている。だから親しい交わりがことさら遠いのである。加えて、まっすぐな性格で、好んで忠言を吐くが、薬や石針のような忠告は、心から喜ぶ者が少ない。しかも学問を勧め、駆け引きや競争を諫め、賭け事をやめさせ、酒浸りを抑えさせようとする。これもまた凡人の喜べないことである。

解説

自分の孤立の理由を、葛洪自身が数え上げた段です。賭け事、狩り、冗談といった当世の楽しみを共有せず、そのうえ「好んで忠藎を吐き」、耳の痛い薬のような忠告を学問や節酒に向けて出す。これでは親しい友ができないと、自覚した書きぶりになっています。「志好の乖次、猶お火升り水降るがごとし」という比喩に、無理に合わせない潔さがあります。管理職にとっては、正論を言い続けて孤立する構図の振り返りになります。正しさだけでは人は動かない、という限界も、同時に読み取れます。

この章句が説くこと

火升り水降るがごとき好んで忠藎を吐き薬石の集まる所甘心する者鮮し忠言孤立

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