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抱朴子外篇 / 君道

誥誓則念依時之失信。耽玩則覺褒妲之惑我。征伐則量力度時,不令百里有號泣之憤;誅戮則遺情任理,不使鴟夷有抱枉之魂。鑒操彤之杜伯,惟人立之呼豕。廢嫡則戒晉獻之巨惑。立庶則念劉表之殄祀。草鬼畋則樂失獸而得士,識馳網而悅遠,偏愛則慮袖蜂之謗巧,飛燕之專寵。獨任則悟鹿馬之作威,恭顯之惡直。納策則思漢祖之吐哺,孝景之誅錯。

新字:誥誓則念依時之失信。耽玩則覚褒妲之惑我。征伐則量力度時,不令百里有号泣之憤;誅戮則遺情任理,不使鴟夷有抱枉之魂。鑒操彤之杜伯,惟人立之呼豕。廃嫡則戒晋献之巨惑。立庶則念劉表之殄祀。草鬼畋則楽失獣而得士,識馳網而悦遠,偏愛則慮袖蜂之謗巧,飛燕之専寵。独任則悟鹿馬之作威,恭顕之悪直。納策則思漢祖之吐哺,孝景之誅錯。

書き下し

誥誓には則ち時に依りて信を失うを念い、耽玩には則ち褒妲の我を惑わすを覚る。征伐には則ち力を量り時を度り、百里をして号泣の憤り有らしめず。誅戮には則ち情を遺て理に任せ、鴟夷をして枉を抱くの魂有らしめず。操彤の杜伯に鑑み、人立の呼豕を惟う。嫡を廃するには則ち晋献の巨惑を戒め、庶を立つるには則ち劉表の祀を殄すを念う。草鬼の畋には則ち獣を失いて士を得るを楽しみ、馳網を識りて遠きを悦ぶ。偏愛には則ち袖蜂の巧みを謗るを慮り、飛燕の寵を専らにするを慮る。独任には則ち鹿馬の威を作すを悟り、恭顕の直を悪むを悟る。納策には則ち漢祖の吐哺を思い、孝景の錯を誅せしを思う。

現代語訳

誓いの言葉を発するときは、時に応じて信を失うことを思い、遊びにふけるときは、褒姒や妲己が我を惑わすことを悟る。征伐するときは力を量り時勢を見はからい、百里の民に号泣の憤りを抱かせない。誅殺するときは情を捨てて道理に任せ、鴟夷の革袋に入れられた者に、無実を抱えた魂を残さない。彤の弓を操った杜伯の話に鑑み、人のように立って呼んだ豚のことを思う。嫡子を廃するときは晋の献公の大きな惑いを戒め、庶子を立てるときは劉表の祭祀を絶やしたことを思う。草鬼の狩りでは、獣を失って士を得ることを楽しみ、網を走らせる意味を知って遠方の者を悦ばせる。偏愛では、袖の中の蜂のような巧みなそしりを案じ、趙飛燕が寵愛を独り占めしたことを案じる。一人に任せきるときは、鹿を馬と言い張る威を作ったことを悟り、石顕らが正直を憎んだことを悟る。策を受け入れるときは、漢の高祖が食べかけを吐き出して人を迎えたことを思い、景帝が晁錯を誅したことを思う。

解説

行動の場面ごとに先例を一つずつ思い出す、という並べ方が特徴です。誓い、遊び、征伐、誅殺、後継、偏愛、独任、献策。それぞれの場面で、過去の失敗や美談を引いて自分を点検する態度が列挙されます。原文の故事は短く縮められており、細部は確かでないため、ここでは「場面ごとに先例で振り返る」という構造だけを押さえておけば足ります。意思決定の節目ごとに、似た失敗例を引き出せる人は強い。経営者にとっては、判断の前に自分用の事例集を持つことの価値を教える一段です。

この章句が説くこと

征伐には則ち力を量り時を度り誅戮には則ち情を遺て理に任せ嫡を廃するには則ち晋献の巨惑を戒め独任には則ち鹿馬の威を作すを悟り先例判断

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