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抱朴子外篇 / 君道

外總多士於文武,內建維城之穆屬,使親疏相持,尾為身幹。枝雖茂而無傷本之憂,流雖盛而無背源之勢。石磐嶽峙,式遏覬覦。見三苗之傾殄,則知川源之未可恃也;睹翳幽之不守,則覺嚴崄之不足賴也。夫江漢猶存,而強楚虜辱;劍閣自如,而子陽赤族。四嶽三塗土,實不一姓;金城湯池,未若人和。守在海外,匪山河也。是以賢君抱懼不足,而改過恐有余。謀當計得,猶思危而弗休焉;戰勝地廣,猶戒盈而夕惕焉。象渾穹以遐燾,式坤厚以廣載。運重光以表微,致遠思乎未兆。資春景以嫗煦,範秋霜以肅物。言州諮以校同異,平衡以銓群言。虛己以盡下情,推功以勸將來。禦之以術,則終始可竭也;整之以度,則叁差可齊也。嶷若閬風之淩霄,而諸下不得以輕重料焉;窈若玄淵之萬仞,則近侍不能以少多量焉。然則君之流源不窮,而百僚之才力畢陳矣;我之涯畔無外,而彼之斤兩可限矣。

新字:外総多士於文武,内建維城之穆属,使親疏相持,尾為身幹。枝雖茂而無傷本之憂,流雖盛而無背源之勢。石磐嶽峙,式遏覬覦。見三苗之傾殄,則知川源之未可恃也;睹翳幽之不守,則覚厳崄之不足頼也。夫江漢猶存,而強楚虜辱;剣閣自如,而子陽赤族。四嶽三塗土,実不一姓;金城湯池,未若人和。守在海外,匪山河也。是以賢君抱懼不足,而改過恐有余。謀当計得,猶思危而弗休焉;戦勝地広,猶戒盈而夕惕焉。象渾穹以遐燾,式坤厚以広載。運重光以表微,致遠思乎未兆。資春景以嫗煦,範秋霜以粛物。言州諮以校同異,平衡以銓群言。虚己以尽下情,推功以勧将来。禦之以術,則終始可竭也;整之以度,則叁差可斉也。嶷若閬風之淩霄,而諸下不得以軽重料焉;窈若玄淵之万仞,則近侍不能以少多量焉。然則君之流源不窮,而百僚之才力畢陳矣;我之涯畔無外,而彼之斤両可限矣。

書き下し

外には多士を文武に総べ、内には維城の穆属を建て、親疎をして相い持たしめ、尾を身の幹と為す。枝は茂ると雖も本を傷つくるの憂い無く、流れは盛んなりと雖も源に背くの勢い無し。石のごとく磐し嶽のごとく峙ち、式て覬覦を遏む。三苗の傾殄を見ては、則ち川源の未だ恃む可からざるを知り、翳幽の守らざるを睹ては、則ち厳険の頼むに足らざるを覚る。夫れ江漢猶お存すれども、強楚は虜辱せられ、剣閣自如なれども、子陽は赤族す。四嶽三塗の土、実は一姓のみにあらず。金城湯池も、人和に若かず。守りは海外に在り、山河に匪ざるなり。是を以て賢君は懼れを抱いて足らず、過ちを改むること余り有るを恐る。謀当たり計得ても、猶お危うきを思いて休まず、戦い勝ち地広くても、猶お盈つるを戒めて夕べに惕る。渾穹に象りて以て遐く燾い、坤厚に式りて以て広く載す。重光を運らして以て微を表し、遠きを致して未兆を思う。春景に資りて以て嫗煦し、秋霜に範りて以て物を粛む。州諮を言いて以て同異を校べ、平衡して以て群言を銓る。己を虚しくして以て下情を尽くし、功を推して以て将来を勧む。之を禦するに術を以てすれば、則ち終始竭くす可し。之を整うるに度を以てすれば、則ち参差斉しくす可し。嶷として閬風の凌霄たるが若く、諸下は軽重を以て料るを得ず、窈として玄淵の万仞なるが若く、近侍は少多を以て量る能わず。然れば則ち君の流源は窮まらずして、百僚の才力は畢く陳ね、我の涯畔は外無くして、彼の斤両は限る可し。

現代語訳

外にあっては多くの士を文武の官に総べ、内にあっては同姓の親族を守りの城として建て、親しい者と疎い者が互いに支え合い、尾が胴体の幹となるようにする。枝は茂っても根を傷つける憂いはなく、流れは盛んでも源に背く勢いはない。石のように堅固に、山のようにそびえ、そうして野心を抑える。三苗が滅びるのを見て、川や水源が頼りにならないと知り、翳幽が守れなかったのを見て、険しい要害も頼りにならないと悟る。長江と漢水がなお存在していても、強大な楚は虜となり辱められ、剣閣がもとのままでも、公孫述(子陽)の一族は滅んだ。四嶽や三塗の地は、実は一つの姓のものだけではない。金の城壁と熱湯の堀といえども、人の和には及ばない。守りは海外にあり、山河にあるのではない。だから賢い君は恐れを抱いて足りないと思い、過ちを改めることが余りあるほどでも、なお足りないのを恐れる。計画が当たり策が成功しても、危うさを思って休まず、戦いに勝ち領土が広がっても、満ちることを戒めて夕べに慎む。天の円い大空にかたどって遠くまで覆い、大地の厚さにならって広く載せる。日月の光を巡らして微かなことを明らかにし、遠くを見通して兆しのないことを思う。春の光によって温かく育み、秋の霜にならって万物を引き締める。州ごとの諮問を言って同異を比べ、秤のように平らにして多くの言を量る。己を空にして下の情を尽くし、功を譲って将来を励ます。人を御するに術をもってすれば、終始尽くせる。整えるに度をもってすれば、不揃いも揃えられる。高くそびえて崑崙の閬風の山が天をしのぐように、臣下は軽重で測れず、深く奥まって深淵が万仞に及ぶように、近侍は多少で量れない。そうすれば君の水源は尽きず、百官の才力は余さず並び、わが限りは外になく、彼らの重さは量り尽くせる。

解説

「金城湯池も、人和に若かず」という句が、この段の背骨です。長江や剣閣の険しさも、人の和を欠けば守りにならない。賢君は成功の後でも恐れを抱き続けるという姿勢が、続く長い比喩の中心です。長い対句は難解ですが、要は、自分を空にして下の声を聞き、功を譲り、術と度で人を整えれば、臣下の力が尽く出る、という筋です。現代の経営でも、堅固な設備や資本より、組織内の信頼と風通しが事業を守ります。好調のときほど危うさを思う、という感覚も管理職に必要な視点です。典故の細部は断定せず、構図のみ押さえるのが無難です。

この章句が説くこと

人和に若かず己を虚しくして以て下情を尽くし功を推して以て将来を勧む戦い勝ち地広くても人和謙虚

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