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抱朴子外篇 / 崇教

而又加之以四時請會,祖送慶賀,要思數之密客,接執贄之嘉賓。人間之務,密勿罔極。是以雅正稍遠,遨逸漸篤。其去儒學,緬乎邈矣。能獨見崇替之理,自拔淪溺之中,舍敗德之崄途,履長世之大道者,良甚鮮矣。嗟乎!此所以保國安家者至稀,而傾撓泣血者無算也。今聖明在上,稽古濟物,堅堤防以杜決溢,明褒貶以彰勸沮;想宗室公族,及貴門富年,必當競尚儒術,撙節藝文,釋老莊之意不急,精六經之正道也。

新字:而又加之以四時請会,祖送慶賀,要思数之密客,接執贄之嘉賓。人間之務,密勿罔極。是以雅正稍遠,遨逸漸篤。其去儒学,緬乎邈矣。能独見崇替之理,自抜淪溺之中,舎敗徳之崄途,履長世之大道者,良甚鮮矣。嗟乎!此所以保国安家者至稀,而傾撓泣血者無算也。今聖明在上,稽古済物,堅堤防以杜決溢,明褒貶以彰勧沮;想宗室公族,及貴門富年,必当競尚儒術,撙節芸文,釈老荘之意不急,精六経之正道也。

書き下し

而るに又、之に加うるに四時の請会、祖送慶賀を以てし、数を思うの密客を要え、贄を執るの嘉賓に接す。人間の務め、密勿として罔極なり。是を以て雅正は稍遠ざかり、遨逸は漸く篤し。其の儒学を去ること、緬乎として邈かなり。能く独り崇替の理を見、自ら淪溺の中より抜け、敗徳の険途を舎てて、長世の大道を履む者は、良に甚だ鮮なり。嗟乎、此れ国を保ち家を安んずる者の至って稀にして、傾撓し泣血する者の無算なる所以なり。今、聖明上に在り、古を稽え物を済い、堤防を堅くして以て決溢を杜ぎ、褒貶を明らかにして以て勧沮を彰らかにす。想うに宗室公族、及び貴門の富年は、必ず当に競って儒術を尚び、藝文を撙節し、老荘の意の急ならざるを釈て、六経の正道を精しくすべし。

現代語訳

しかもそのうえ、四季ごとの宴会、見送りや祝賀、数を数えるように親しい客を迎え、贄を持って来る嘉賓に応接する。世間のつとめは、あわただしく際限がない。そのため雅正の道はしだいに遠ざかり、気ままな遊びはますますひどくなる。儒学から離れること、はるかに遠い。一人で興亡の理を見抜き、自ら沈み溺れる中から抜け出し、徳を損なう険しい道を捨てて、長く続く大道を歩む者は、まことにきわめて少ない。ああ、これこそ国を保ち家を安んじる者が極めて稀で、傾き挫けて血の涙を流す者が数えきれない理由である。今、聖明な方が上におられ、古を考えて世を救い、堤防を固めて決壊や氾濫をふさぎ、褒貶を明らかにして勧善懲悪をはっきりさせている。思うに、宗室や公族、また貴い家の富める若者は、きっと競って儒術を尊び、文芸にふけるのを控え、老荘の意は急がないものとして措き、六経の正しい道を精しく学ぶべきである。

解説

遊興に加え、季節の集まりや祝いの席など「人間の務め」が際限なく続き、学問に向かう余白が消えていく、という描写です。そのなかで興亡の理を見抜き、自ら抜け出せる者は「良に甚だ鮮なり」と言います。結びでは、皇族や貴門の若者に儒術と六経を学ぶよう勧めますが、老荘は急ぎではないと脇に置く点に、著者の立場が出ています。現代の経営者も、付き合いと会合で予定が埋まるほど、大事な学びと考える時間が消えます。忙しさが成果の証になっていないか、予定表から見直すきっかけになる一段です。

この章句が説くこと

密勿として罔極なり自ら淪溺の中より抜け長世の大道を履む者は六経の正道を精しくすべし時間学問

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